1月11日、沖縄において「チュチェ思想新春セミナー」が
開会挨拶をおこなった神戸市外国語大学名誉教授であり、
来賓の高良鉄美参議院議員は、琉球大学の憲法学者としての経歴を生かし、国会内での活動を報告しながら、朝鮮学校に対する差別をなくすとりくみを進めていきたいと挨拶しました。
次いで平良研一沖縄大学名誉教授が「社会主義強国の生命線としての教育事業について」と題し、第14回全国教員大会に向けた
平良教授は、談話には人間性と社会的な革命意識を尊重する方針が貫かれていると指摘し、日本では政治のゆがみが露呈し、新自由主義の悪弊が至る所に現れているなかで、朝鮮の教育改革の意気込みに学ぶ必要があると講演を結びました。
在日本朝鮮社会科学者協会の李英洙会長は「自主平和を主導する
いま、世界情勢をみると、帝国主義勢力、反動勢力が衰退、没落しており、支配権を維持するために必死であがいている一方、朝鮮は
朝鮮は朝米交渉において主導権を握り、米国の核脅威を確固とけん制、制圧するための戦略に打って出ている。
昨年末開催された朝鮮労働党中央委員会第7期第5回総会で打ち出されたスローガン「われらの前進を妨げるあらゆる難関を正面突破戦によって切り抜けていこう!」に朝鮮の基本精神が凝縮されている。
閉会の挨拶は
参加者たちはセミナー終了後、新春祝賀パーティーに参加し、
翌1月12日、国立劇場おきなわ・小劇場において、新春芸術公演実行委員会主催の「春風の響」が開かれ、会場を埋めつくした300名の人々が公演を楽しみました。
芸術公演は、
演歌歌手であり日朝音楽芸術交流会副会長の遠山洋子氏が、日本の演歌、朝鮮歌謡、セレナーデと幅広い歌を披露しました。
また沖縄を代表するミュージシャンの一人である日出克氏が沖縄の伝統音楽を奏でるとともに、創作エイサーを若者たちと共演しました。さらに林美伶氏が中国の古典芸能である変面で盛り上げました。アンコールに応えて全員で「豊年音頭」を歌い、会場が感動に包まれました。
沖縄で開催されたチュチェ思想セミナーと祝賀パーティーそして芸術公演は、参加者たちが今年の活動にいっそう奮い立つ勇気を得る場となりました。
日本を訪問中のブラジル・チュチェ思想研究センター所長のガブリエル・マルチネス氏が、1月15日、チュチェ思想国際研究所を訪問し、
ガブリエル所長が訪日に際してチュチェ思想国際研究所の訪問を希望したことから国際研究所事務局長との懇談の運びとなりました。
懇談会では、世界のチュチェ思想研究普及活動の現状や課題、またブラジルにおける研究会活動と社会変革の動き、日本における研究会活動の歴史や目標など多岐にわたって率直な協議が交わされました。懇談会後の会食の場でも双方のやり取りは続き、温かく強いきずなが結ばれました。
ガブリエル所長は、2011年の訪朝をきっかけにチュチェ思想に注目し、すぐさまチュチェ思想研究センターを立ち上げ、主に青年層にチュチェ思想を宣伝普及している経験について述べました。今年、ブラジルから2つの青年組織を中心にした大型訪朝団が派遣される予定になっています。
またガブリエル所長の訪日の知らせを聞き「自主的なラテンアメリカのための青年運動」のメンバーであるブラジルの青年が、今後いっそう密接にチュチェ思想国際研究所と関係を強めていきたいとの事務局長への手紙を託しました。
1月18日、2020年最初のチュチェ思想国際研究所主催の定例研究会が東京で開催されました。
司会はチュチェ思想国際研究所の
鎌倉教授は「トランプ政権は1月3日にイランと戦争を始めたと言わざるを得ない。革命防衛隊のソレイマニ司令官を無人機で殺害した。朝鮮側が2018年6月のシンガポールでの朝米首脳会談合意を着実に一歩一歩前進させているにもかかわらず、トランプ政権は何一つ応えていない」と話し、昨年末におこなわれた朝鮮労働党中央委員会第7期第5回総会について言及しました。
次に、朝鮮大学校の韓東成学長が、デポー大学准教授であり21世紀研究院副院長のデレック・フォード氏の紹介を兼ねて挨拶しました。朝鮮大学校は昨年からデポー大学との交流をおこなっています。韓学長は、昨年朝鮮大学校を訪問した米国の大学生の感想文を紹介しました。そこには日米両政府の理不尽な対朝鮮政策を初めて知って憤り、自らの認識と生き方を改めると率直な感想が記されていました。
続いてデレック・フォード准教授が報告しました。通訳は朝鮮大学校の廉文成准教授が務めました。
デレック准教授は次のように述べました。
「米国においても1930年代には共産主義運動がおこなわれていた。その後、弾圧を受けたが、戦後は社会主義と民族解放闘争の影響もあり、公民権運動がおこなわれた。ブラックパンサーは朝鮮との親和性をもっていた。
1950年代、朝鮮がはじめて米帝国主義を打倒するなど世界的には反帝国主義の動きもあった。しかしソ連崩壊後、反革命の動きが加速化された。米国は一極支配体制を確立していったが、徐々に力は弱まってきている。ソ連は崩壊したが、朝鮮はチュチェ思想にもとづいて大きな発展を遂げてきている。朝鮮のことは朝鮮人民自身によって決められなければならないし、朝鮮労働党は朝鮮人民のすべての運命に責任をもっている」
次に、朝鮮大学校の李泰一准教授が「朝鮮労働党中央委員会第7期第5回総会に関する報道」をテーマに以下のように報告しました。
「昨年12月28日から4日間にわたってオブザーバーを含めて400名が参加して総会がおこなわれた。4つの議題があったが、基本精神は情勢がよくなるのを待つのではなく、夢を見ることをやめ、自力更生して正面突破でたたかっていくことである。この方針にはチュチェ哲学があり、根底には自力更生の原則、白頭の革命精神、革命伝統そして人民大衆第一主義が流れている」
二人の学者の報告を受けて、立命館大学の中戸祐夫教授が、アメリカン大学との交流経験をもとに「シンガポール合意の意義は、新しい朝米関係の構築であったが、日米の専門家たちの見解は、朝鮮の非核化ばかりに焦点を当てている。トランプ大統領は戦争政策をやめさせたいと思っているが、米国では産軍複合体が強いため、順調に進んでいない」と発言しました。
最後に、ブラジル・チュチェ思想研究センターのガブリエル・マルチネス所長が、ブラジルにおけるチュチェ思想研究普及活動とブラジルの社会状況について発言しました。
ガブリエル所長は、2011年以来国内でセミナーをおこなっており、インターネットを使ってチュチェ思想を普及していること、
質疑応答後、
外国からの参加者の一人は「日本でこのような水準の高い研究会が開かれていることに驚いた」と話し、互いに影響し合う意義深い研究会になりました。
研究会後の懇親会は各国語が飛び交い、国際色豊かなひと時となりました。