2017年は、
1月8日、
セミナーには、チュチェ思想、
主催者を代表し、
チュチェ思想は沖縄のたたかいの指針であるといえます。
沖縄の未来をどう築いていくのか、わたしはいつも考えています。沖縄から変革をおこしていかなくてはならないと思います。
わたしたちはチュチェ思想を学ぶ先駆者として、
とりわけ、チュチェ思想を若い人たちに広めていくことが大事です。チュチェ思想を自主、平和をめざすたたかいの指導思想として多くの人々に普及していく必要があります。
今年もみなさんといっしょにチュチェ思想の研究普及活動をすすめていき、日本の自主・平和の活動と世界の自主化の動きに刺激を与えていきましょう。
来賓として
2017年はロシア革命の勝利100周年にあたります。
1991年にソビエト社会主義の崩壊が宣布されるまでの間、世界には社会主義をめざす運動がありました。
ソ連・東欧社会主義の崩壊後、ベトナムや中国は市場経済の道に入りました。
資本主義、帝国主義が腐敗し野蛮化するなか、未来社会への展望を見失う人も少なくなかったと言えます。
しかし、わたしたちはつねに、チュチェの社会主義が輝いているということを主張してきました。
沖縄のたたかいもまた、科学的展望のある未来を見通すたたかいと結合したとき、一層大きな力を発揮するのではないかと思います。
しかし、アジアや朝鮮にたいする偏見や誤解が政治的に喧伝されるなか、それを自己の考えかのように持ち込んでしまうと、たたかいを充分に展開することが困難になってしまいます。
なぜなら、資本主義、帝国主義を憎むだけでは、資本主義、帝国主義を倒したあとの未来がみえてこないからです。
朝鮮にたいする偏見を植え付けられるということは、たたかう意志や力を削がれるということを意味していると思います。
昨年、米国大統領選挙に勝利したドナルド・トランプ氏の政治手法に代表されるポピュリズムは、大衆追随主義、大衆迎合主義と言われ、反動的政治家によって大衆のなかにもちこまれた偏見や誤解、不安や不満を煽り、政治的手段によってそれを拡大させ、政治運動に利用することを意味します。
近代におけるポピュリズムの元祖といえるヒトラーは、ロシア革命後、ドイツにおいて国家社会主義労働者党という社会主義と労働者の名を冠した党のなかで主導権を握り、政治的、文化的宣伝手段を使って人々を扇動していきました。
ヒトラーの登場によって、世界は救われたわけではなく、破滅の道へと導かれました。未来への展望をもってポピュリズムが台頭してきたわけではありません。
ドナルド・トランプ氏の米大統領選勝利もまた、帝国主義が末期的状況に陥り、米国国内が不安定化するなかで、国民の不安につけこむポピュリズムの手法を通じて実現したことを表しています。
ソ連を中心とした社会主義は一度挫折しましたが、社会主義の正当性、社会主義勝利の必然性は依然として変わっていません。
未来社会への展望をもち、勝利を信じてたたかう人々を挫くものは何もありません。国家権力は肉体を抹殺することはできても、信念を奪うことはできません。
皆が幸せになり、平和のなかで自主的に生きていくことをめざす正当なたたかいの勝利にたいする信念をもち続ける限り、最後には必ず勝利するということを確認し、挨拶としたいと思います。
セミナーでは、チュチェ思想国際研究所研究員の平良研一・沖縄大学名誉教授が「諸悪の根源「安保」・「日米同盟」と対米従属の構造 ―「真珠湾」に始まる米軍基地問題の本質―」と題して講演をおこないました。
講演は、「1.怒りをよぶ安倍首相の歴史認識」、「2.敗戦・日本占領から変わらず続く米軍基地の態様」、「3.未だに占領下の対応が続く、原点となる「真珠湾」の本質」、「4.アメリカにNoと言えない日本の“体質”の形成」、「5.帝国主義の狂暴性が米軍基地の本質―欺瞞の日米安保体制」の五つの体系で構成されました。
平良研一教授は、日米戦争の原因はアジアをめぐる帝国主義同士の覇権争いの野望にあったと述べたうえで、沖縄の恒久基地化への狙いの背景に極東・アジア・世界支配という帝国主義の変わらぬ企図があると指摘しました。
また、日本は1950年代に米国の「核体制」に組み込まれて以降、沖縄を要塞として米国に売り渡し、今日まで強引な基地政策を続けているとし、米国にも日本にも真の「民主主義」は存在していないと強調しました。
平良研一教授は、沖縄におけるたたかいの勝利をめざし、自主の旗を高く掲げ、世界の平和を希求する労働者人民と連帯してたたかう決意をもとうと訴えました。
講演につづき、ロンドン大学(LSE)大学院修士課程修了生の尾上成一氏による研究報告「自主的に生きるとはどのようなことか」がおこなわれました。
尾上成一氏は、研究報告にあたり、つぎのように述べました。
チュチェ哲学は、人間を社会的存在―自己と他者との関係性を能動的に構築し、集団を形成して生きる存在―と規定しています。では、なぜ人間は社会的存在であるのでしょうか。
チュチェ哲学によれば、人間を社会的存在たらしめる理由の一つは、人間の本性としての自主性です。言い換えるならば、人間の自主性を侵害する行為は、たとえその行為が少数の人々にたいしてのみ影響を及ぼすものであるとしても、社会的存在としての人間の否定です。
一方で、自主性を守るということは、誰の自主性を守ることを意味し、何を実現することを指しているのでしょうか。
尾上成一氏は、このように問題提起をおこなったうえで、チュチェ哲学における「自主性」の意味を、人間と自然との関係、自分自身との関係、自分自身と他者・社会との関係で考察した結果を発表しました。
そして、「人間の自主性を守る」とは、自身にたいする自然の束縛を解放すること、自身にたいする社会的拘束に反対すること、そして自身の他者への抑圧を自制することであるとし、さらには他者にたいするあらゆる従属に自らの意志で反対し、周囲世界に責任をもとうとすることであると述べました。
また、政治哲学としてのチュチェ哲学について、自国における自主性の擁護、国際関係における自主性の擁護の問題について取り上げて解説しました。
セミナーでは、大城悟・沖縄平和運動センター事務局長から高江、辺野古における新基地またオスプレイヘリパッド建設反対運動の現地報告が、三上太一・
大城悟氏は、多くの県民を結集させることが必要であり、沖縄でも全国でも議論をしていきたい、安倍政権の右傾化を止められるのはわたしたちなので、気持ちを新たにがんばっていきたいと決意を述べました。
三上太一氏は、1月28日に大阪で計画されている「新春 日朝友好芸術のつどい」成功に向けての決意をつぎのように語りました。
朝鮮の真の姿また日朝友好の大切さを多くの人たちと共有する集まりにしていきたい、日朝友好は日本にとって重要な課題であり、朝鮮にたいする正しい認識をもてるよう、またチュチェ思想を学ぶ人たちを結集していく機会にしていきたい、
会場からは、元那覇市職員の仲宗根忠寛氏が発言しました。
ベトナム戦争では沖縄から戦闘機が飛び立ち沖縄は加害者の立場だった、オスプレイの訓練が何のためにおこなわれているのかを考えなければいけない、米国の仮想敵国は中国や朝鮮であり、オスプレイの訓練を認めてしまえば、沖縄はまた加害者になってしまう、沖縄にとっての自主とは何なのか、突きつめて考えていきたい。
同夕、「新春芸術の夕べ」が那覇市厚生会館・大ホールでおこなわれ、80余名が参加しました。
芸術の夕べは、沖縄・朝鮮友好の会主催、
芸術の夕べでは、「八重山伝統舞踊勤王流トキの会 道 舞踊研究所」の田島美智子氏による八重山舞踊、池辺幸惠・日朝音楽芸術交流会会長による歌とピアノ演奏、歌手の美音(Mion)氏による沖縄の唄三線が披露されました。
田島美智子氏から、人々の営みの豊かさと五穀豊穣の喜びを歌った八重山伝統舞踊『揚古見の浦節』が披露されました。
池辺幸惠氏は、日朝友好への思いを語りながら、同交流会名誉会長である小笠原美都子氏の代表曲「平壌賛歌」をはじめ「アリラン変奏曲」、「鳳仙花」、「きっと明日からは」、「故郷のから松」を力強く弾き語りしました。
美音(Mion)氏は、三線の音色に乗せて古典音楽「瓦屋節」「高平良萬歳」、沖縄民謡「てぃんさぐぬ花」「安里屋ゆんた」を披露し、最後に民謡ポップスメドレーを熱唱しました。
夕べの最後には出演者への花束贈呈がおこなわれ、和やかな雰囲気のなかで終了しました。
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「チュチェ思想新春セミナー」と「新春 芸術の夕べ」は、朝鮮との友好を発展させ、チュチェ思想、