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2016年、新年の幕開けに、
学者、労働組合関係者、医療従事者、学生などの各界各層のチュチェ思想研究者が、沖縄はじめ全国から多数参加しました。
「チュチェ思想新春セミナー~基地をなくし平和な沖縄を~」が、
司会を務めた仲里修・全駐労マリン支部元委員長は、沖縄は辺野古新米軍基地建設をめぐり緊迫した状況下にある、沖縄の人々は戦争を拒否し、平和な沖縄をめざしてたたかっている、このようななかでチュチェ思想新春セミナーが開催されることはたいへん意義がある、と述べました。
「チュチェ思想新春セミナー~基地をなくし平和な沖縄を佐久川政一・沖縄大学名誉教授が、主催者を代表してあいさつしました。
佐久川名誉教授は、沖縄の歴史は、日本政府やアメリカによって他律的に支配され、人々の要求が無視されてきた歴史である、県民は、基地の重圧からどのように脱却できるかという問題意識をもって、運動の指針を求めてきたと述べながら、平和と人権のためにたたかう憲法学者として大学で教鞭をとるなかで、1970年代末にチュチェ思想に出合ったことについてふれました。
そして、チュチェ思想は、自己の運命の主人は自分自身であり、自己の運命をきりひらく力も自分自身にあるという思想であるということを知り、この思想こそがたたかいの武器になることを確信し、以来、チュチェ思想研究普及活動の発展のために尽力してきたと語りました。
佐久川名誉教授は、チュチェ思想が青年をはじめ、広範な人々のあいだで研究普及されることを願う、日本と沖縄の自主・平和を実現するためには広範な人々の力が必要であると強調しました。
セミナーでは、尾上健一・チュチェ思想国際研究所事務局長のあいさつにかえて、朝鮮の水爆実験にたいするメッセージが紹介されました(以下抜粋)。
米帝国主義が対話と協調を完全に拒否し、核攻撃の機会を常時うかがい社会主義朝鮮の崩壊をもくろんでいるなかで、自国の生存権と自主権を堅持し、平和的経済建設を促進するためには、朝鮮が核武力をもつことが不可欠である。
帝国主義が核を独占しながら、いくつかの中小国が自国の平和と繁栄のために核兵器を保有することを妨害し制裁を加えようとすることは、甚だしく不公平であり不当な行為である。
米帝国主義の核の傘の下にある日本が、米帝の核については反対しないで、自国の防衛のために核武力をもつ国にたいして騒ぎ立てることは、日本の対米従属の本性をさらけ出したものであり、また日本の対外侵略策動の野望を露出しているものでしかない。
セミナーでは、金英俊・在日本朝鮮人総聯合会中央本部国際局部長が、「
そして
朝鮮は、新たな並進路線の正当性を国防と経済で実証し、国力向上の実績をもって、朝鮮労働党創立70周年を迎えた。
2016年の「新年の辞」では、「朝鮮労働党第7回大会が開かれる今年、強盛国家建設の最全盛期をきり拓こう」というスローガンが提起され、朝鮮は「最後の勝利」に向かって邁進している。
平良研一・沖縄大学名誉教授は、「沖縄・辺野古 普遍的な権利と自主のためのたたかい」と題して、報告をおこないました。
平良名誉教授は、沖縄、辺野古の新基地建設阻止をめぐるたたかいがきびしい状況に直面しており、政府の執拗な強硬姿勢は変わらず、法廷でその問題に決着をつけようとしている、しかし、沖縄県民のたたかいは、普遍的な権利のための今日的なたたかいであり、人間の尊厳と自主をかちとるためのたたかいである、と述べました。
平良名誉教授は、第二次大戦後の日米安保体制の構築、日本政府の対米従属と屈辱の構図について述べました。そして、沖縄、辺野古という地域は、歴史的に複雑な問題、矛盾を抱えたところであると同時に、人々が自治を育む原点、協働で学びあい育ちあう場である、辺野古新基地建設阻止のたたかいは、人間の普遍的権利と自主を守るためのたたかいであり、普遍的な意義をもつものであると強調しました。
セミナーではまた、大学生が発言し、自分の運命は自分できり拓き、誰にも従属したり、媚びたりしない生き方をする必要がある、沖縄県民として、日本人民の一人として、沖縄そして日本を良くしていくために、チュチェ思想に学び、ともにたたかっていきたい、と述べました。
最後に、司会者が、今日この場で学んだことを心に留め、自主的で平和な日本をつくっていくためにともに頑張りましょう、と述べ、セミナーは閉会しました。
「新春 芸術と交流の夕べ」の公演が、同夕、那覇市のダイワロイネットホテルでおこなわれました。
夕べでは、大城早志・全駐労ズケラン支部前委員長が開会のあいさつをおこない、仲村芳信・沖縄大学名誉教授が乾杯の音頭をとりました。
夕べでは、「八重山伝統舞踊勤王流トキの会 道 舞踊研究所」の田島美智子氏による舞踊公演がおこなわれました。
八重山伝統舞踊から、人々の営みの豊かさと五穀豊穣の喜びを歌った小浜節、鷲ぬ島節、崎枝節の演目が披露されました。
つづいて、池辺幸惠・日朝音楽芸術交流会会長によるピアノと歌の弾き語りがおこなわれました。
池辺氏は、同交流会名誉会長である小笠原美都子氏が作詞作曲された平壌賛歌を歌った後、1990年代の苦難の行軍のころの朝鮮人民のたたかいを描いた映画『この道一筋に生きる』の挿入歌「故郷のから松」を力強いピアノ演奏で披露しました。そして、2015年に発表され、朝鮮でよく歌われている「行こう白頭山へ」を歌いました。
また、阪神・淡路大震災が起きた1995年に神戸で創作され、いまもうたいつがれている歌「幸せ運べるように」、沖縄の人々のあいだでよく歌われ親しまれている子守歌「童神」などを披露しました。
夕べでは、最後に喜屋武悟・沖縄バス労働組合委員長が閉会のあいさつをおこない、盛会のうちに終了しました。
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新年の始めに催された「チュチェ思想新春セミナー」と「新春 芸術と交流の夕べ」は、朝鮮との友好を発展させ、自主・平和の日本を実現していくことに寄与する集いとなりました。