朝鮮民主主義人民共和国創建78周年を記念し
研究会を東京と沖縄で開催
―朝鮮社会主義の本質的優越性への理解を深める―
朝鮮民主主義人民共和国創建78周年を記念し、9月12日、金日成・金正日主義研究関東連絡会の主催により、東京で研究会が開催されました。東京を中心に、群馬、静岡、大阪などからチュチェ思想研究者が参加しました。
沖縄では、同日、金日成・金正日主義研究沖縄連絡会主催の研究会が開催されました。
両者の集まりは、オンラインで接続し、両会場を結んでの研究会となりました。
沖縄では、沖縄大学名誉教授の平良研一氏、同大学名誉教授の仲村芳信氏が講演をおこない、チュチェ思想国際研究所の尾上健一事務局長が発言しました。また、東京では、朝鮮大学校のパクミョン教授が講演をおこないました。
研究会では、現代社会が直面する諸問題に言及し、社会のあり方や人間の発展をめぐる問題について考察するとともに、朝鮮社会主義の本質的優越性について理解を深めました。
平良教授は、近年頻発する異常気象現象や地球環境の危機を取り上げ、歯止めがきかない資本主義的な生産活動によって、地球がいま、ブレーキの効かない状況になりつつある、と述べました。
また、多くの人命を奪う戦争の残酷さにも言及し、環境危機を二酸化炭素の問題だけにとどめず、戦争による環境への影響にも目を向ける必要があると指摘しました。そのうえで、こうした危機の背景には、グローバル規模で利潤を追求する仕組みがあり、その仕組みに乗る帝国主義者の意識を問題にする必要があると強調しました。
仲村教授は「復帰後の沖縄と今後の展望」をテーマに、戦後の沖縄・琉球が抱えてきた諸問題について講演しました。
仲村教授は、人類は平和な世界を願ってきたが、21世紀に入っても世界各地で戦争が繰り返されていることに加え、地震、津波、熱波、水害、干ばつ、土石流など災害に見舞われていると指摘しました。そして、1972年に本土復帰を果たした沖縄についても、住民が抱える問題はいまだ山積しており、基地の集中や軍事化が進んでいると述べました。
このような沖縄の問題の背景は、日本が日米安保条約や日米地位協定によって米国の支配下にあることが起因している、と述べながら、沖縄・琉球では、自主的、主体的、民主的、平和的に独立を取り戻していく運動が重要になっていると強調しました。
そして、そのような運動を進めるうえで、大国と肩を並べるまでに発展した朝鮮において具現されているチュチェ思想に学ぶ意義が大きいと述べ、講演を締めくくりました。
沖縄からの講演に続いて、朝鮮大学校のパクミョン教授が、「朝鮮社会主義の本質的優越性について ―「人新世の『資本論』」の批判的考察を通して―」と題して講演しました。
パク教授は講演の前半で、斎藤幸平氏の著書「人新世の『資本論』」について考察し、その理論的な課題について検討しました。後半では、チュチェ思想にもとづく朝鮮社会主義の優越性について論じました。
まず、ソ連・東欧の社会主義が崩壊した原因を解説しながら、社会主義が挫折した原因と教訓を整理しました。
パク教授は、ソ連・東欧社会主義が崩壊した根本原因について、社会主義の本質を歴史の主体である人民大衆を中心として理解できず、社会主義建設において主体を強化し、その役割を高めることを基本にできなかった点にあると指摘しました。
社会主義社会は人民大衆が主人となった社会であり、その発展をおし進める決定的要因は、社会主義思想で武装した人民大衆であると説明しました。また、一部の国々では、国家主権と生産手段を掌握し、経済建設をおし進めれば社会主義を建設できると考え、人々の思想意識や文化水準を高めることに力を注がなかったため、人民大衆が主人としての役割を果たせなくなったと指摘しました。
続いてパク教授は、チュチェの社会主義思想が明らかにした朝鮮社会主義の本質的優越性について、三つの側面から説明しました。
第一に、人民大衆が主人となった社会であることです。人民大衆が社会の主人となるためには、政治においても主人となる必要があり、労働者階級の党と社会主義政権は人民の奉仕者として、その自主的要求に応えることが重要だと説明しました。
第二に、人民大衆のために奉仕する社会であることです。党と国家の活動は、人民大衆に真の自由と権利を保障し、豊かで文明的な生活を実現することに向けられると説明しました。
第三に、人民大衆の団結の力によって不断に発展する社会であることです。社会主義制度を樹立しただけで、人々の団結や協力が自然に実現するわけではなく、社会主義思想による教育を通じて人民大衆の意識と団結を高めることが重要だと指摘しました。また、社会主義経済については、労働者階級の党と国家による指導のもとで計画的に運営することが重要だと説明しました。
さらに、社会主義の本質は集団主義にあり、集団主義は国家・社会の利益と個人の利益を対立させるものではなく、国家・社会の利益を実現することが、人民一人ひとりの利益を実現することにつながると述べました。
そして、朝鮮における環境保護政策の基本内容とその思想的基礎について補足しました。
労働者階級の執権党がおこなう環境保護事業については、環境の支配者・主人である人間が自己の生存と活動に有利な自然環境を維持保存し、不利な自然環境を有利な環境へ改造するためにおこなう目的意識的活動であると言及しました。つまり、環境保護の主体は人間であり、環境保護は、主体である人間のための事業になるべきであり、主体である人間の責任であると強調しました。
最後にパク教授は、思想や理論、利害、立場に違いがあっても、手を携えることのできる部分では連帯・協力し、資本主義、帝国主義を乗り越え、真の自主性を実現する社会を建設するために取り組んでいくことが重要だと語りました。
パク教授の講演後、参加者からの発言が続きました。
朝鮮と連帯するアジア地域委員会委員の水谷研次氏は、朝鮮を訪問した経験をふまえ、水害が発生した際には立場にかかわらず、多くの人が被災地の救援に全力を尽くしていることなどに触れ、「一人はみんなのために、みんなは一人のために」という精神が朝鮮の社会に根づいていること、思想と行動が一致していることに感動したと話しました。そして、実際に朝鮮を訪問することによって、社会主義とはどのような社会なのかを実感できるとし、機会があればぜひ見聞してほしいと述べました。
研究会の最後に、チュチェ思想国際研究所の尾上健一事務局長から発言がありました。
尾上事務局長は、パク教授に講演を依頼した経緯と、パク教授への謝意を伝えながら、次のように続けました。
近年、気候変動への関心が高まるなか、環境問題と資本主義のあり方を結びつけ、社会のあり方について考える議論が広がっています。そのようななか、本日、パクミョン教授の講演を興味深く聞きました。
続いて、今年9月2日に金正恩総書記がおこなった教育に関する演説と、朝鮮の全国教員大会について紹介しました。演説では、母親が人間に生命を与える存在であるのに対し、教師はその人生を立派に築いていけるよう育てる恩人であるという教育者の役割の重要性が強調されていると述べました。
研究会では、その様子を収めた動画も紹介されました。
今回の研究会は、現代的な課題と結びつけて議論を深めたことで、参加者の関心をさらに高める機会となりました。
「気候変動とのたたかいには国家の自主性が必要である」
― ヨーロッパ・チュチェ思想研究学会書記長 ユハ・キエクシ氏からの寄稿 ―
今回の研究会では、気候変動や環境問題と資本主義のあり方についても考察が深められました。こうした問題をめぐり、ヨーロッパ・チュチェ思想研究学会書記長のユハ・キエクシ氏から、「気候変動とのたたかいには国家の自主性が必要である」と題する寄稿が寄せられました。
ユハ・キエクシ氏は寄稿のなかで、気候変動の背景にある化石資本主義の問題を取り上げ、生態学的帝国主義や国家の自主性との関係について論じています。そして、気候変動への対応をめぐり、社会主義とチュチェ思想の立場から考察しています。
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