チュチェ思想研究

チュチェ思想国際研究所

アジア・チュチェ思想セミナーが
モンゴルで開催される

― 「21世紀の課題とチュチェ思想の今日的意義」をテーマに ―




アジア・チュチェ思想研究所主催による、「21世紀の課題とチュチェ思想の今日的意義」に関するアジア・チュチェ思想セミナーが、2025年8月23日、モンゴルの首都ウランバートルで開催されました。今年は、アジア・チュチェ思想研究所にとって創立45周年にあたる節目の年です。

アジア・チュチェ思想セミナーには、インド、パキスタン、ネパール、日本、朝鮮のチュチェ思想研究者とモンゴルの各界人士が参加しました。

セミナーはアジア・チュチェ思想研究所理事長のムケシュ・シャルマ氏と、モンゴル・チュチェ思想研究協会委員長のドレジスレン・ナンジン氏の司会で進行しました。

朝鮮社会科学者協会第一副委員長のテヒョンチョル氏が祝賀挨拶をおこないました。テヒョンチョル第一副委員長は、セミナーに参加した諸人士に謝意を表しながら、つぎのように述べました。

現在、国際社会は多くの課題に直面しています。

ゆえに、本セミナーのテーマが「21世紀の課題」とさだめられたといえます。

わたしは、21世紀の課題を克服する唯一の方途は、チュチェ思想の原則、とりわけ自主、自立、自衛の原則を深く研究することにあると考えます。

われわれ朝鮮人民は、金正恩総書記の賢明な指導のもと、革命と建設において、数多くの奇跡をつくりだしています。

われわれ朝鮮人民は、きびしい経済封鎖、経済制裁をうけながらも、政治分野だけでなく国防分野においても多くの成果をなしとげてきました。いまやわが国は、有数の軍事強国となりました。

われわれ朝鮮人民がおさめたすべての成果は、金正恩総書記の賢明な指導と、人民がチュチェ思想を生活に具現し、チュチェ思想の原則を成功裏に実践したことによるものです。

今日、チュチェ思想は金正恩総書記によって、人類の輝かしい未来をさし示す指針として発展豊富化されています。

そのようなチュチェ思想を深く研究普及し、21世紀のあらゆる課題を克服するための方途としてみいだすことは、わたしたちにとってきわめて有益であると考えます。

アジア・チュチェ思想研究所書記長のマシュバット・オトゴンバヤル氏が歓迎の挨拶をつぎのように述べました。

わたしたちは歴史の岐路にたっており、わたしたちが直面している前例のない地球規模の課題は、わたしたちに集団的英知と一致団結した努力を求めています。

自主性と自力更生、人間の崇高な精神を強調するチュチェ思想は、こんにちの諸課題を解決するうえで独創的な視座を与えています。チュチェ思想は一人ひとりに、また個々の国々に活力を与え、外国の支配や干渉から解放され、自己の進路をきり拓くことを提唱します。

本セミナーは、チュチェ思想の原則がこんにちの課題にどのように適用しうるか、チュチェ思想によっていかに人間の自己犠牲的精神や自主的な決断力が培養されるかについて検証する機会となることでしょう。

つぎに、アジア・チュチェ思想研究所名誉理事長のハリシュ・グプタ氏から寄せられた原稿が代読されました。ハリシュ・グプタ氏は、「21世紀の課題とチュチェ思想の今日的意義について」というテーマに関して所見を述べました。

こんにち世界では、いまもなお長期に及ぶ終わりのない戦争がつづいています。イスラエルとパレスチナ、レバノン、シリア、イラン間の戦争、ロシアとウクライナの戦争です。

両者はともに、米帝国主義によって操られている戦争であり、当事国の自主性と主権を脅かし、世界平和に深刻な暗雲を投げかけています。

世界中の平和を愛する人々が、これらの残虐行為、戦争犯罪、ジェノサイドを黙視するのではなく、団結した力でやめさせるときがきました。

今日の激動の時代において、金日成主席が創始し、金正日総書記が発展豊富化させたチュチェ思想は、各国が自主の道をきり拓くための革命的な指導思想としての役割を果たしています。

チュチェ思想によって明らかにされた真理を21世紀の課題に直面するわたしたち自身の指導指針としましょう。(詳細はここをクリック!)

セミナーでは、チュチェ思想国際研究所事務局長の尾上健一氏の寄稿文「自主と団結は帝国主義の暴虐を粉砕し、新しい世界を創る」が代読されました。

各国の自主化は真の平和と尊厳を実現するためのもっとも重要な条件となります。

各国が対等であり、相互の制度や価値観を尊重しあう世界こそ、長く人類が願いつづけてきた平和で公正な世界秩序の道となります。

チュチェ思想は、国と民族、民衆はみずからの運命をみずからの力できり拓くという理念を中心にすえています。

自主化の真の主体は各国の民衆です。民衆こそが、自国の運命の主人であり、自主の道を歩む原動力です。民衆が政治的に覚醒し、団結し、みずからの根本的利益を守るために行動するとき、国家の自主性もまた現実のものとなります。

民衆の思想的組織的力量を高めることは、国の自主化にとって不可欠です。とりわけチュチェ思想の普及と学習は、民衆がみずからを主人公とする社会をきずくための思想理論的支柱となります。

チュチェ思想研究者は、チュチェ思想を自国の実情に照らして深く研究し、民衆の言葉でわかりやすく伝える使命を担っています。(詳細はここをクリック!)

セミナーでは、ムケシュ・シャルマ氏が、人類に最終的に平和、進歩と繁栄の道へと導いてくれる哲学はチュチェ思想である、いままさに行動をおこすときです、帝国主義が支配する世界に自主性をかかげてたちむかいましょう、とスピーチしました。(詳細はここをクリック!)

セミナーでは、アジア・チュチェ思想研究所理事でありネパール自力更生研究フォーラム会長のスバシュ・カジ・シュレスタ氏が21世紀の課題に解答を与えるチュチェ思想についてスピーチしました。

また、同研究所理事でありパキスタン自力更生研究会会長のジャベド・アンサリ氏が、平和と戦争、関税の報復合戦、そしてチュチェ思想の今日的意義についてスピーチをおこないました。

セミナーに世界各国のチュチェ思想研究者から祝電が寄せられました。



セミナー後には、懇親会が開かれ、祝賀の挨拶とともに、朝鮮とモンゴルの歌と踊りが披露されました。

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アジア・チュチェ思想研究所理事会第18回会議が開かれる

8月23日、セミナーに先立ち、アジア・チュチェ思想研究所理事会第18回会議が開かれました。

理事会会議には、アジア・チュチェ思想研究所理事会メンバーが参加するとともに、オブザーバーとして朝鮮社会科学者協会第一副委員長のテヒョンチョル氏が参加しました。

アジア・チュチェ思想研究所理事長のムケシュ・シャルマ氏が議長を務めるなか、同研究所理事のスバシュ・カジ・シュレスタ氏が、2019年に開催された第17回会議以降のアジア・チュチェ思想研究所の事業報告をおこないました。

世界的なコロナ禍のなかでも各国のチュチェ思想研究者が行き来し交流したこと、アジア地域インターネットセミナーが開催されたこと、2024年にはアジアのチュチェ思想研究者はピョンヤンを訪問しチュチェ思想国際セミナーに参加したことなどが報告されました。

事業報告をうけて、インド、ネパール、パキスタン、モンゴルの参加者から、自国におけるチュチェ思想研究普及活動についての紹介がおこなわれました。

理事会会議では、新しい理事会構成が確認され、理事の改選がおこなわれました。

新理事長にムケシュ・シャルマ氏、新書記長にマシュバット・オトゴンバヤル氏が選出され、同研究所理事長であり、チュチェ思想国際研究所副理事長のハリシュ・グプタ氏が名誉理事長に就任しました。



自主と平和、社会発展に関する
ヨーロッパ・チュチェ思想セミナー
フィンランドで開催



ヨーロッパ・チュチェ思想研究学会創立40周年を記念して、11月2日、フィンランドの首都ヘルシンキにおいて「自主と平和、社会発展」に関するヨーロッパ・チュチェ思想セミナーが開催されました。

セミナーには、ヨーロッパ・チュチェ思想研究学会会長のマッテオ・カルボネリ氏、同書記長のユハ・キエクシ氏、英国チュチェ思想研究会会長のダーモット・ハドソン氏、スウェーデン駐在朝鮮民主主義人民共和国大使館参事官をはじめ、フィンランドの各界人士、日本のチュチェ思想研究者が参加しました。

またヨーロッパ・チュチェ思想研究学会理事のリュドミル・コスタディノフ氏、トーマス・レシュ氏、アレクサンドル・ヴォロンツォフ氏をはじめ、チェコ、ドイツ、デンマークのチュチェ思想研究者がオンラインで参加しました。

セミナーでは、マッテオ・カルボネリ氏が開会挨拶、基調報告をおこない次のように述べました。

チュチェ思想は、民族の自主と社会主義への道を理解し鼓舞する力を与え、世界各地で関心を呼びおこしました。

ヨーロッパにおいても、地域的な水準でチュチェ思想の研究普及を推進するための組織を設立する必要性が高まっていきました。

1985年10月20日、パリにおいてヨーロッパ・チュチェ思想研究学会が設立されました。ヨーロッパ各国から多くの代表、学者、ジャーナリストが参加し、パリ第一大学教授エドモン・ジューブ氏が会長に選出されました。その後、ヨーロッパ・チュチェ思想研究学会は数多くのセミナーや理事会を開催してきました。

チュチェ思想は、人民がたがいに協力し、自主と社会的発展を達成し、世界の平和をきずくための指針を与えています。

ヨーロッパ・チュチェ思想研究学会は、チュチェ思想研究普及活動を推進し、研究者同士の関係を強化しつづけます。(詳細はここをクリック!)

続いて、朝鮮社会科学者協会からの祝賀メッセージが紹介されました。

チュチェ思想国際研究所事務局長の尾上健一氏のスピーチが代読されました。

人々は、平和な環境のもと、互いを尊重し、協力し合いながら生きていきたいと願っています。また豊かな自然を大切にし、美しい地球で持続的に発展していきたいという願いを共有しています。

しかしその願いとは裏腹に、今、ドローンによって人間が無差別に殺戮され、美しい環境も見る影なく破壊されるという異常な事態が進行しています。

すでに世界中で数十万機規模の軍用ドローンが実戦配備され、その多くはAIによって自律制御され、人命をまるで無機物のように処理しています。

このような事態は、米国主導の世界秩序の本質、すなわち倫理や命の尊厳よりも支配と利権が優先されてきた結果に他なりません。

いま、世界が切実に求めているのは「自主」です。

北欧諸国は、長らく福祉国家として独自の道を歩んできました。しかし米国の影響や干渉によって、その多くは西欧諸国と同様の軍事路線へと引き込まれています。平和を志向してきた北欧も、いまや米国の戦争に加担し、かつての姿を失いつつあります。

いまこそ、自主の道に立ち、平和で公正な世界を築く努力が求められています。(詳細はここをクリック!)

同書記長のユハ・キエクシ氏がスピーチをおこないました。

ソ連・東欧の社会主義の崩壊のもっとも重要な要因の一つは、思想闘争の軽視であったと考えます。思想闘争は社会主義体制が樹立された後も長くつづくものです。

いま西側諸国の状況は悪化の一途をたどっています。極端な個人主義の文化が蔓延し、人々はたがいに競争を強いられ、他者を犠牲にして巨万の富をきずいた者が称賛されています。

帝国主義ブロックは自己の支配を維持するために常に新たな市場と資源を求めざるをえません。その結果、西ヨーロッパでは極端な軍事化がすすみ、人民の生活はますます疲弊していっています。

チュチェ思想とその朝鮮における適用を学びましょう。そこにこそ、民主主義、福祉、そしてより公正な世界への道があるのです。(詳細はここをクリック!)

理事のリュドミル・コスタディノフ氏がオンラインでスピーチをおこないました。

朝鮮の発展モデルは、極めて重く長期にわたる経済制裁が課せられ、国土が狭く、資源に制約性があるなかで、前例のない生命力を示してきました。

一方、帝国主義と覇権主義勢力は、天然資源の不可逆的な枯渇、世界的経済危機、環境破壊、そして戦争へと世界を追いやっています。チュチェ思想にもとづく朝鮮の自主的な社会主義建設の実例は、これらを回避する道をさし示しています。

オーストリア金日成・金正日主義研究会会長のトーマス・レシュ氏がオンラインで次のようにスピーチしました。

今日、朝鮮は米国や他の帝国主義諸国に抑圧されていない唯一の自主的で主権ある国家です。ヨーロッパでは、ドイツのような大国も、オーストリアのような小国も、すべてが米国に従属しています。

ウクライナ紛争に際して、EU諸国は米国に強制され、ウクライナに武器を送り、ロシアに対して経済的政治的制裁を課しています。EUはロシアからの安価な石油やガソリンの輸入を断たれ、その代わりに米国から高価な液化ガスを輸入せざるを得なくなっています。

このような理由から、朝鮮は米国の支配に抗うヨーロッパの進歩的人民のみならず、世界の進歩的人民にとって真の灯台となっています。朝鮮の現実は、外国からの支配を一掃したときに自国に明るい未来が開けることをすべての進歩的人民に示しています。朝鮮は、抑圧なき世界が可能であるという希望を人々に与えています。

同研究学会理事のアレクサンドル・ヴォロンツォフ氏がオンラインで次のようにスピーチをおこないました。

現在、公正な世界秩序、すなわち多極世界の形成が活発に進展しています。その実現は米国を中心とする旧来の一極世界との緊張した闘争の中で進められ、進歩的な諸国は困難にもかかわらず着実に基盤を築いています。その根本には『主権』と『自主』の理念があります。朝鮮民主主義人民共和国ではこれをチュチェ思想として体系化し、77年間にわたり強大な自主的国家建設を可能にしました。さらに2024年の「包括的戦略的パートナーシップ協定」以降、ロシアとの関係はソ連時代を凌ぐ水準に達し、クルスク地方解放戦への朝鮮人民軍参加はその頂点でした。この現象は多極世界への運動における重要要素であり、真に主権を有する国家が互いに支え合うことができるということを示しています。

他に英国、チェコ、ドイツ、デンマーク、ポーランド、スイス、スロバキアなどからもスピーチがありました。

セミナーでは、金正恩総書記におくる手紙が採択されました。

セミナー終了後は懇親会がおこなわれ、各国からの参加者同士で交流を深めました。