チュチェ思想研究

チュチェ思想国際研究所

チュチェ思想国際研究所が定例研究会を開催

2024年12月8日、東京においてチュチェ思想国際研究所の主催で定例研究会が開催されました。定例研究会には、関東近県だけではなく、東北や九州、関西、四国、沖縄などから参加したチュチェ思想研究者、民主人士、在日朝鮮人や外国人労働者など50余名が参加しました。

定例研究会では、尾上健一・チュチェ思想国際研究所事務局長が司会を務めました。

尾上事務局長は、活動をはじめた頃、日本の大学教授とともに金日成主席と接見した際のことを話しながら、主席は、世界の多くの国々は独立したが、独立後の道を模索している、自主の道を歩むことが重要であり、そのためにはチュチェ思想が必要だと話されたことを紹介しました。

最初に、在日本朝鮮社会科学者協会の李英洙会長が「在日朝鮮社会科学者代表団 訪朝報告」と題して、10月21日から11月5日まで訪朝された際の様子について報告しました。

李会長は、6年ぶりに訪朝できたことへの喜びを語りながら、撮影した写真を使い、朝鮮労働党中央幹部学校、江東総合温室工場をはじめ参観地について説明しながら、朝鮮がめざましい発展をとげていることを紹介しました。

そして、2021年1月に開催された第8回党大会から人民大衆第一主義の幕が開き、この4年間は社会主義全面的発展期、15年構想実現の第一段階に突入した歴史的な時代であったことに言及しました。同時に、制裁、コロナ、連続自然災害などの試練と難関を乗り越え、短期間に、最高の水準で、同時多発的に革新と変革が起きた歴史的な期間だったと振り返りました。

そして、このような革新と変革が起きた要因は、人民大衆の無限な力、思想の力、人民大衆第一主義の真価の3つに要約されると述べました。

朝鮮でこんにち発揮されている思想とは、わが国家第一主義思想であり、人民大衆の無限な力の源は思想の力です。

わが国家第一主義時代は、金正恩総書記の愛国理念と意志、為民献身、不屈の攻撃精神が一つになって生まれた「チュチェの時代、自主の時代」のより高い発展段階、新たな勝利の時代だといえます。

いま世界は自主化実現の新しい時代、決定的な転換期へと移行しています。いま要求されているのは、金日成・金正日主義、金正恩総書記の革命思想の研究を深化させ、普及活動を活発化させることです。

わたしたちは先駆者としての使命感をもち、試練と難関を乗り越える覚悟で果敢な実践を展開しましょう。

在日パレスチナ人であり博士であるタスニム・カコラ氏は「イスラエル、再びの侵入」と題し報告し、米国、イスラエルによるパレスチナへの大虐殺に強く抗議しました。

カコラ氏は、次のように述べました。

米国は、2023年10月7日以来、イスラエルの中東戦争の70%におよぶ資金を提供しています。これは、1960年代以降に送られた数十億ドルの援助とは別であり、その総額は2,000億ドル以上にのぼります。この援助には、金銭、軍事支援、武器、軍需品が含まれています。これは米国がパレスチナにおける虐殺を支援し、イスラエルの侵略虐殺を許していることを示しています。

なぜ米国は、大虐殺をつづけイスラエルが侵略を拡大するのを許しているのでしょうか。

一つは、イスラエルのロビー団体であるPAC(政治行動委員会)が行使する影響力によります。

二つは、米国がガザの海外線に発見されたガス田を含む、イスラエルがパレスチナから盗んでいるその他の天然資源に対する関心によります。

米国は、唯一の超大国としての支配力を維持しようとしています。

米国が大虐殺の最前線にいなければ、イスラエルは1年以上にわたって攻撃を維持することはできなかったでしょう。

イスラエルは、ガザ地区全体で北から南まで何十もの虐殺をおこなっており、パレスチナ人が住んでいた町や村を完全に荒廃させて、暴虐をつづけています。

過去と現在のできごとは、イスラエルがパレスチナだけではなく、中東全体で占領計画をすすめるために、いかなる犠牲を払ってもそのプロジェクトをすすめることを示しています。西洋諸国のイスラエルへの支持は、レバノンでの地上侵攻の場合と同様に、周辺諸国への侵攻を支持するための言い訳をつくりだすでしょう。

在日アメリカ人であり学者であるジョセフ・エサティエ氏は「反戦労働者:ストライキなどで平和のために闘う労働者が大勢いれば」と題して報告しました。

ジョセフ氏は、支配層は貧しい人々の成果など気にもとめないことを指摘しました。コロナ禍のこの4年間で、世界の10億人を超える貧しい人々の生活が悪化しました。労働者階級の人々は、ロックダウンで大きな苦痛を味わいました。

また米国や日本政府、マスメディアは、朝鮮に対する偏見が強いことを指摘しました。米国や日本のマスメディアは朝鮮について正しく報道せず、情報操作がおこなわれています。学校では朝鮮の歴史を教えません。「忘れられた戦争」とは朝鮮戦争のことです。

米国は、2003年、朝鮮を「悪の枢軸」に組み込み、先制攻撃政策の標的としました。その結果、朝鮮はNPTを脱退しました。米国は他国と誠実な交渉をしませんし、約束しても守りません。

核戦争を防ぐためのたたかいにおいて、いま、わたしたちのもっとも大きな武器は労働者による団結です。労働者は目覚めてたちあがり、戦争を阻止するために行動しようと呼びかけました。

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定例研究会は、世界で自主化の流れが加速しているなか、チュチェ思想の重要性を認識し、チュチェ思想研究普及活動を積極的におこなう意志を新たにする場となりました。