金正恩総書記の革命思想に学び、自主化された世界を実現するために
― チュチェ思想国際研究所定例研究会を開催―
世界の自主化への要求が強まるなか、世界のチュチェ思想研究者が集まり、今年4月、ピョンヤンにおいて、チュチェ思想国際セミナーが開催されました。
世界のチュチェ思想研究者はその後、チュチェ思想研究普及活動をより強めていくために、各国で、全国セミナーはじめ、さまざまな集まりを開催しています。
東京では、2024年8月18日、チュチェ思想国際研究所主催による定例研究会が開催されました。
定例研究会には、関東近県だけではなく、北海道や九州、四国、沖縄など、遠方からもかけつけたチュチェ思想研究者、日朝友好人士、民主人士など、80余名が参加しました。日本に在住している外国人の参加もありました。
定例研究会は、尾上健一・チュチェ思想国際研究所事務局長の司会進行でおこなわれ、冒頭に、金正恩総書記が今年7月、朝鮮における水害の被災地に真っ先に足を運びながら、復旧のために指導されていることについて紹介しました。
また、定例研究会には、在日パレスチナ人の博士も参加して特別報告をおこなうことにたいして、パレスチナ人のたたかいをより身近かに感じています、と述べました。
最初に、チュチェ思想国際研究所理事であり、朝鮮大学校学長のハンドンソン氏があいさつをおこないました。
ハンドンソン学長は、朝鮮の最高指導者自らが救命ボートに乗りながら、水害の被災地を真っ先に尋ね、状況を視察し、その後幹部も被災地に送り、直接状況を把握したあとで会議を開き、復旧対策を検討したことや、党と国家が、子どもたちをはじめ被災者を、復旧が終わるまでピョンヤンに呼んで、生活と学業の面倒を見るように手配したことについて紹介しました。そして、金正恩総書記の指導には、人民大衆第一主義が貫徹されていることを感じ、その思いをもってチュチェ思想研究普及活動に献身していきたいと述べました。
続いて、今年10月に、日本からの代表団団長として、朝鮮を訪問する金日成・金正日主義東海連絡会世話人代表の鈴木敏和氏が挨拶を述べました。
鈴木氏は、コロナ禍が明けて、ふたたび、訪朝の機会が得られるようになった喜びについて語りながら、朝鮮は経済制裁を受けるなかにあっても、また、自然災害に見舞われるなかにあっても、人民生活を安定させている、実践に示されたチュチェ思想を深く学んできたいと述べました。
定例研究会では、在日パレスチナ人であり博士であるタスニム・カコラ氏が「300日間の大虐殺」と題して、特別報告をおこないました。
タスニム・カコラ氏は、ガザ地区やヨルダン川西岸地区で、パレスチナ人がイスラエルの攻撃を受けていることを現地の画像をもって伝えたかったが、いままで連絡がとれていた友人ともいまは連絡がとれない状況になっていると述べました。そして、300日間にパレスチナで起きたことは、まさに、米国とイスラエルによるジェノサイドであると強調しました。
最後に、何がおこっても、わたしたちは自由なパレスチナのためにたたかい続けるでしょう、と力強く締めくくりました。
定例研究会では、三つの講演が行われました。
「現代の革命思想について」と題してチュチェ思想国際研究所理事である鎌倉孝夫・埼玉大学名誉教授がオンライン講演を、また、「朝鮮の現況と日朝関係」と題して、島根県立大学の福原裕二教授が、「金正恩総書記の革命思想の特徴」と題して朝鮮大学校の李泰一教授がそれぞれ講演をおこないました。
鎌倉教授は、現代の資本主義と資本主義の発展をどのように捉えるかについて詳しく解説しました。
つづいて、人間社会発展における意識・思想の役割について言及しながら、次のように述べました。現在、朝鮮が進んでいる路線である、政治における自主、経済における自立、国防における自衛が、社会主義諸国での基本的な発展方向になるでしょうし、それによって、世界の自主化、平和化が確立されると思います、自主、自立、自衛の社会主義になることが問われています。
わたしたちが社会主義へと進んでいくためには、わたしたち自身の意識を社会主義の意識に変えていかなければなりません、意識に裏づけられた人間としての思想、その決定的な役割、意義をいま一度確認して、自分自身のものにしていかなければならないと思います。
人間を中心とした思想が社会主義の基礎をなす、世界的な思想として確立しなければならないし、確立させることができると思います。それを踏まえた自立と連帯、これこそがチュチェ思想を基盤として世界の社会主義建設で進めていく基礎になる、自主と平和を確立させる思想としてのチュチェ思想を一人ひとりのものにしていこう、と強調しました。
福原裕二・島根県立大学教授はまず、日本国内においては、日朝国交正常化への関心が弱まっている状況のもとで、そのような状況を打開するために、自分が所属している大学と朝鮮大学校の学生との交流を重要視し、実現させてきたと、自身の実践活動の一端について紹介しました。
そのうえで、国際関係を研究する学者として、 金正恩総書記の指導の特徴について概括しました。また、朝鮮をとりまく政治経済、軍事的な客観情勢について、図と資料をもって解説しました。朝中、朝ロ関係についても概括したあとで、日朝関係改善の展望について言及しながら、朝鮮人民との交流を深めるために、今後とも努力していきたいと述べました。
リテイル教授は、最初に、時代の転換期においては、新しい哲学が求められている、時代の転換期にふさわしい新しい哲学を学ぶことにより、今をよりよく生きていくことができるとし、「いま新しい時代が到来しており、新しい思想・哲学が求められているということを認識しなくてはいけない、金正恩総書記の革命思想は転換の思想・哲学である」と強調しました。
リテイル教授は、金正恩総書記の革命思想は、内容において人民大衆第一主義に一貫され、構成において、思想、理論、方法の体系をなしていることについて解説しました。
そして、金正恩総書記の革命思想の特徴を理解するうえで提起される理論的問題として、金正日愛国主義、わが国家第一主義、新時代党建設5大路線について、解説しました。
リテイル教授は、金正恩総書記の透徹した人民観は、人民大衆を実質的な革命と建設の主人として押し立て、立派にその役割をはたさせようとする強い決心に裏打ちされていると強調しながら、自分自身大学で教鞭をとるものとして、学生を信じ、次代の担い手として育てていくことに全力を注いでいこうという思いを強くしている、と述べました。
芸術公演―自主の流れはさらに強く―
定例研究会の後には、会場を移動し、芸術公演がおこなわれました。
ロシア舞踊、朝鮮のうたと踊り、歌手であり金日成・金正日主義東海連絡会世話人である遠山洋子氏による歌が披露されました。
金日成・金正日主義全国連絡会代表世話人の住谷圭造氏が乾杯の音頭をとりました。住谷氏は、地元福島での反原発運動に関し、われわれが学んできた、自主性、主体性、そして地道に足元でなかまを広げる活動をどのように継続していくかが大切であり、明日からも頑張っていきたいと思いを語りました。
加藤イリーナ氏によるロシア舞踊「カリンカ・マリンカ」が披露されると、日本でも馴染みのあるメロディーに参加者は一体となって手拍子を送っていました。
東京朝鮮歌舞団は、舞踊「輝くわが道」や、歌謡「わが民族が一番」などの演目を披露しました。
遠山洋子氏は、自身のふるさとにある城址を歌った新曲を披露し、日本と朝鮮の歌謡をそれぞれメドレーで歌いました。遠山氏の軽快なトークで会場は笑いに包まれ、リズミカルな曲に参加者は一体となって手拍子を送っていました。
会場は、自主の流れを早めるために、金正恩総書記の革命思想に学ぶ決意に満ちていました。