金正日総書記生誕記念
「チュチェ思想と平和に関するセミナー」が
大阪で開催される
2024年2月11日、金正日総書記生誕82周年にさいして、「チュチェ思想と平和に関するセミナー」が、金日成・金正日主義研究全国連絡会の主催のもと大阪で開催されました。
セミナーには、チュチェ思想国際研究所の尾上健一事務局長、アジア・チュチェ思想研究所理事の家正治教授、日本各地からチュチェ思想研究者や日朝友好人士ら100余名が参加しました。
最初に、主催者を代表して金日成・金正日主義研究全国連絡会代表世話人の家正治・神戸市外国語大学名誉教授が挨拶しました。
家教授は、グテーレス国連事務総長の国連総会での演説を紹介し、平和の実現が今日の世界において差し迫った課題になっていることを強調しました。そして、南アフリカが、国際法違反であるとしてイスラエルを提訴した訴訟で、国際司法裁判所は、ジェノサイドを防止するための措置をとることを命じたことに言及しながら、平和を実現するための国際的な動きがあることを深く認識していくうえでも、本セミナーは意義のあるものだと思いますと述べました。
つづいて、在日本朝鮮人総聨合会大阪府本部委員長の夫永旭氏が来賓挨拶をおこない、つぎのように述べました。
東アジアの恒久的な平和を実現するために、朝米間の平和協定の締結と過去の清算にもとづく日朝国交正常化が不可欠であり、新しい時代の到来に合致する各国間の関係改善がさし迫った課題となっています。
朝日関係改善と差別のない社会の実現に向けたたたかいにおいて、ともに連帯していきましょう。
セミナーでは、在日本朝鮮社会科学者協会の李英洙会長が「金正恩総書記の新しい近未来構想」と題して、パレスチナ人のタスニム・カコラ博士が「国境を越えて:パレスチナ人のアイデンティティ」と題して講演をおこないました。
李英洙氏は、つぎのように述べました。
昨年末に朝鮮労働党中央委員会第8期第9回総会拡大会議が開かれました。また、今年に入って、朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議第14期第10回会議が開かれ、金正恩総書記による施政演説がおこなわれました。
金正恩総書記は朝鮮労働党第8回大会でうちだされた5か年計画を遂行するためのたたかいで大きな成果がおさめられたと総括したうえで、今後2年間のあいだに社会主義の全面的発展のためのたたかいを加速化させ、社会主義の完全勝利をめざす新しい段階をきり拓く展望を明らかにしました。この演説のなかに、見落としてはならない重要な問題が提起されています。
一つは、朝鮮労働党第8回以降のこの3年間のたたかいを通じて、人民が、5か年計画を十分に完遂することができるという確信を持つようになったということです。
二つ目は、朝鮮では、国防分野だけでなく、経済と文化のすべての分野が同時に発展し、首都だけでなく地方もともに変貌し、都市と村、山河だけでなく、人々の思想精神の面においても大きな変化をもたらす社会主義全面的発展の時代がきりひらかれたということです。
三つ目は、社会主義建設の主体的な力、内的原動力が一段と強化され、自強力第一主義、正面突破戦略の正当性が実証されたことです。
金正恩総書記はまた、国際政治と力量関係で起きた巨大な地政学的変化と現国際情勢の基本特徴、朝鮮半島地域の対外的環境、核戦争の瀬戸際に至った朝鮮半島地域の危うい安保環境と敵対勢力の軍事的対決策動の性格を分析、評価し、重要な政策的決断を明らかにしました。
「金正恩総書記の新しい近未来構想」は、人類が平等に、平和に暮らす自主化された世界を構築し、社会生活のあらゆる分野で歴史的転換をもたらす大変革の世紀をきり拓く構想だと言えます。
金正日総書記は、1990年代後半の苦難の行軍時代、「目は現実を見るが、信念は未来を見る」と言われ、朝鮮人民はその言葉を心に刻み、難関を克服してきました。今は、金正恩時代になって、現実を見て未来を確信するようになりました。朝鮮人民は「未来を予測する確実な方法は未来を創造することである」という言葉を胸にいだいてたたかっています。
自身の力を信じて、自分たちのたたかいをとおして、世界の自主化が実現する輝かしい未来をともに創造していきましょう。
タスニム・カコラ氏は自身について、ヨルダンで生まれ育ったパレスチナ人であり、パレスチナ人であると同時に、ヨルダン人としても誇りをもっていると述べました。
そして、イスラエルにより、パレスチナ人は存在しなかったとして、国旗をかかげる自由さえ奪われているが、パレスチナの歴史や良風美俗をパレスチナ人から消しさることはできなかったし、今日それは、抵抗の形として受け継がれていると強調しました。
さらに、パレスチナを認めないことにより、パレスチナ人は、市民権を得た国においてさえも、無国籍者となる危機にさらされているという事実について語ったあと、つぎのように述べました。
悲惨な歴史があったとしても、パレスチナ人が自己の豊かなアイデンティティを覆い隠したり、消し去ったりしなかったことを認識することが重要です、このアイデンティティは、言語、文化、文学芸術に深い根拠をもっており、占領による脅威に影響されず、強力な抵抗力をもっています、この抵抗力は、パレスチナ人のアイデンティティを根絶するというシオニスト運動の幻想を打ち破るものです。
金日成・金正日主義研究東海連絡会の鈴木敏和世話人代表が閉会の挨拶をおこない、つぎのように述べました。
チュチェ思想を信念化すれば未来が見えると言えます。
これまでにも多くの不幸なできごとが日本でも世界でもあり、今でも続いています、パレスチナ人は、何十年にも渡り占領され、自主権を奪われています、わたしたちは自主性を求める世界のすべての人民と連帯していきましょう。
芸術公演
芸術公演は、池辺幸惠氏のピアノ演奏で幕を開けました。
池辺氏は「幸せを運べるように」等を演奏し、美しいピアノの旋律に会場は引き込まれました。
引き続き、遠山洋子氏、金貞淑氏による歌とピアノが披露されました。
チュチェ思想国際研究所初代理事長の安井郁教授が次世代に期待を託して詠んだ短歌が楽曲化された「安井郁先生の歌」等が披露され、二人の息のあった歌とピアノの調べに魅了されました。
最後に、大阪朝鮮歌舞団による歌と踊りが披露されました。「この世に羨むことはなし」等を歌い、会場は一体となって盛り上がりました。
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「チュチェ思想と平和に関するセミナー」は、自主性を志向する世界の人々のたたかいへの理解を深め、自主化された平和な世界を実現する決意を強める場となりました。