金日成主席生誕111周年
チュチェ思想国際研究所創立45周年を盛大に祝賀
- 日本でセミナーが開催される -
2023年、チュチェ思想国際研究所は、創立45周年の節目の年を迎えます。
2023年4月15日、チュチェ思想国際研究所と金日成・金正日主義研究全国連絡会の共催で「金日成主席生誕111周年・チュチェ思想国際研究所創立45周年記念 チュチェ思想研究セミナー」が東京で開催されました。
セミナーには、ラモン・ヒメネス・ロペス・チュチェ思想国際研究所理事長がオンラインで参加し、マッテオ・カルボネリ・ヨーロッパ・チュチェ思想研究学会書記長、エレアサル・ルビオ・アルダラン・ラテンアメリカ・チュチェ思想研究所書記長、マシュバット・オトゴンバヤル・アジア・チュチェ思想研究所理事をはじめ、ローマ地区元公証人であるマリア・アントニエッタ・ヴィッティ氏、メキシコ国立自治大学助教のナジェリ・エランディ・ヒメネス・フアレス氏、ウランゴー・ハシュエルデネ・チュチェ思想研究協会会員が、遠路はるばるセミナーへ参加するため日本を訪問しました。
セミナーの司会は、尾上健一・チュチェ思想国際研究所事務局長が務めました。
セミナーには、北海道から沖縄まで、学者、勤労者、在日外国人など150余名が参加しました。
尾上事務局長が、金日成主席生誕111周年、チュチェ思想国際研究所創立45周年を迎えた記念すべきセミナーに、長い旅路を経て参加された各国のチュチェ思想研究者、日本全国からの参加者に謝意を表し、開会を宣言しました。
最初に、主催者を代表し、アジア・チュチェ思想研究所理事であり金日成・金正日主義研究全国連絡会代表世話人の家正治神戸市外国語大学名誉教授が挨拶し、次のように述べました。
現代は自主の時代であり、一見するとまがまがしい様相を呈していますが、それは衰えてきた非民主的な帝国主義国が最後の抵抗をしているにすぎません。本セミナーは、世界の自主化、世界の民主化、公正な秩序の確立にとって重要なセミナーであると考えています。これを契機としてチュチェ思想の研究をさらに深めていきたいと思います。
在日本朝鮮人総聯合会中央常任委員会第一副議長の朴久好氏が来賓挨拶をおこない、次のように述べました。
チュチェ思想国際研究所は、1977年9月に73か国、4国際機構から89の代表団の参加のもと、ピョンヤンで開かれた「チュチェ思想に関する国際討論会」で、チュチェ思想を研究普及するための国際的な組織創設が決定されたことを踏まえ、翌年の4月9日に世界10か国から約800名が参加した国際大会で創立が宣伝されました。
今日、世界の自主化は、米国の一極支配崩壊とそれに伴う多極化という形で明確に前進しており、すでに、後戻りできない時代の趨勢となっています。
今こそ、自主の時代をリードするチュチェ思想が本領を発揮する時であり、チュチェ思想国際研究所の存在と役割は増々重要になってくると思います。
セミナーには、朝鮮社会科学者協会、エドモン・ジューブ・ヨーロッパ・チュチェ思想学会理事長、ハリシュ・チャンダー・グプタ・アジア・チュチェ思想研究所理事長、ユハ・クエクシ・ヨーロッパ・チュチェ思想研究学会副理事長、ロヘケレ・カロンダ・アンドレ・アフリカ・チュチェ思想研究委員会書記長、ジャベド・アンサリ・アジア・チュチェ思想研究理事、ダーモット・ハドソン・イギリス・チュチェ思想研究会会長をはじめ、各国のチュチェ思想研究者から祝賀メッセージが寄せられました。
ラモン・ヒメネス・ロペス理事長が最初に講演をおこない、次のように述べました。
金日成主席は1977年の談話で、「世界の人々がチュチェ思想を要求しています。それゆえにチュチェ思想に関する国際機構を設立することが重要です。この国際機構はあくまで学術的機構でなければならず、政治団体にはしてはなりません。なぜなら、政治組織、政治団体にすることは、革命を輸出することを意味するからです」と述べています。このことは、金日成主席が朝鮮革命の主人公は朝鮮人民であり、朝鮮人民はいかなる場合においても自力で国の実情にもとづいて革命を遂行しなければならないとして、自力で革命をおこなったことを想起させます。
いま、人類は現世代および次世代にとって、きわめて重要な過渡期に遭遇しています。
確固不動だと思われていた新自由主義は歴史のゴミ箱にすてられています。人類繁栄の新時代にチュチェ思想は、よりよい世界を目指す人々のたたかいを導く強固な指針になっています。
米国は軍事的、経済的ヘゲモニーを失いました。そして、金融危機でもがいています。
民衆自身が、自主、世界平和、全民の幸福、連帯、万民の友愛にむかって進むべき道を選んでいる国々が日ごとに多くなっています。
チュチェ思想国際研究所は45年間、自己の崇高な使命を果たし、各国の自主化と世界平和偉業を推進する課題を遂行してきました。チュチェ思想国際研究所の役割が重要になっています。
ここにいる参加者が金日成・金正日主義の新世代において、熱心に研究普及し、世界を自主化するたたかいを導くうえで貢献することを願っています。
続いて、マッテオ・カルボネリ氏が次のように講演をしました。 今年はチュチェ思想国際研究所創立45周年を迎えます。45年間、尾上健一事務局長とチュチェ思想国際研究所が、理事会の指導体制のもと、アジア・チュチェ思想研究所、ラテンアメリカ・チュチェ思想研究所、アフリカ・チュチェ思想研究委員会、ヨーロッパ・チュチェ思想研究学会という地域研究所を通して、チュチェ思想の研究普及活動を積極的に成功裏にくり広げてきたことを思い起こしています。
金日成主席は、その生涯と活動を自主性擁護と社会主義実現にささげた指導者であり、自国の歴史のみならず、人類史に重要な足跡を残しました。
チュチェ思想は、人間の自由、自主性が擁護されるためには、個々人が属する民衆総体の自主性が擁護されなければならず、国と国とは互いに双方の民衆の自主性を擁護しあわなければならないと教えています。
米国は、米国式の民主主義、自由、人権の概念を広めるという名目で自己のルールを他国に押し付けてきました。
多くの人口を擁する国々を含む世界の60億人以上の人々が、米国の覇権主義に反対するようになっています。一極化された世界による覇権の終焉、覇権国とそれに追随する諸国が全地球を支配しようとする支配主義の終焉を要求しています。
新国際秩序の基軸は自主性の尊重です。チュチェ思想は自主性を礎としており、現時代において、人民の自主性にたいする願望を実現するうえで強力な武器となるものです。
チュチェ思想はいまや、ますます大きな関心を集めており、支配と抑圧のない世界の建設、真に自主的な国の建設、人々が自由にその創造力を発揮しながら平和的に尊厳ある生活を営むことのできる社会正義を実現しようとする各大陸の人々によって研究され、深化発展しています。
続いて、エルアサル・ルビオ・アルダラン氏が講演をおこない、次のように述べました。
朝鮮人民は、金日成主席が抗日革命闘争で創始したチュチェ思想に導かれた人民です。金日成主席は日本帝国主義と米帝国主義の侵略に反対し、朝鮮人民の闘争を指導して勝利に導きました。また、金日成主席は、チュチェ思想に基づいて、朝鮮労働党を創建して社会主義の建設をおこないました。
金日成主席は、偉大な指導者であり、チュチェ思想を創始した20世紀最高の思想家でもあります。
朝鮮は帝国主義諸国の攻撃にたいして、先軍政治によって自国を守り発展させてきました。朝鮮は核兵器を所持しています。米帝国主義が存在するかぎり、朝鮮は核兵器を手放すことは決してないでしょう。
1970年代にラテンアメリカ・チュチェ思想研究所が創立され、ラテンアメリカだけではなく、世界中でチュチェ思想の研究普及活動が促進されるようになりました。
わが国では、金日成主席と金正日総書記、金正恩総書記の教えを20年以上にわたって学び広めてきました。チュチェ思想から学び、朝鮮人民から学ぶために、わたしたちは資料を普及し、会議や討論会を開催してきました。
世界の人々は社会主義の建設を切望しており、わたしたちは、組織の建設方向と人々の意識を高め人々を組織する方向性を学んでいます。
続いて、マシュバット・オトゴンバヤル氏が「モンゴルの外交政策―不確実性のなかでの延命」と題して講演し、次のように述べました。
モンゴルの地政学的位置と外交・安全保障上の必要性、とりわけ、ウクライナ紛争が終焉した後の複雑な状況について、モンゴルがバランスを保つためにしていることについて話したいと思います。
モンゴルの存立は、つねに絶妙なバランスの上に成り立ってきました。
ウランバートルでは、来る6月に女性外相会議が開催される予定ですが、このような努力をするのは、どの国も交渉の席に着くことが、紛争や戦争を防ぐ唯一の方法であるとモンゴルが信じているからです。
一言で言えば、モンゴルは小国ですが、モンゴルは、ロシアや中国と緊密に連携し、国連総会における決議に「棄権」を投じています。
モンゴルは生き残るためのあらゆる努力をおこなっています。バランスをとり、中立性を保つことが重要な方針です。
しかし、このことは、受け身や待ちの姿勢をとっていることを意味するものではありません。
モンゴルはどの国も交渉の席につくよう、積極的にアプローチしようと努力しています。
続いて、チュチェ思想国際研究所理事であり埼玉大学名誉教授である鎌倉孝夫氏が「反帝国主義・自主確立こそ平和の道」と題して講演し、次のように述べました。
一つ目として、ウクライナ情勢について、正しく捉えなければいけないと思います。つまり、米帝国主義のウクライナを通した策動をとらえていかなければなりません。帝国主義覇権支配再構築について、なぜ米国はウクライナで対決しようとするのか。米国は、世界支配を目論んでいますが、そうした力は、もはや米国にはありません。そこで、米国は、日本をはじめとする追随国を協力させています。
二つ目として、米帝国主義は、朝鮮をたたいて支配しようとする魂胆をもっており、朝鮮に対する瓦解活動が強まっています。朝鮮は、これに対して毅然と対応しています。
朝鮮の核兵器は内政に干渉したり、破壊するためのものではありません。帝国主義の防圧から、人民を守り、世界の平和を守るために存在し、平和を願う人民には攻撃しないし、絶対に脅威にはならないと明確に述べています。それを法令で決めており、世界的にもない状況だと思います。
最後に、反帝国主義、自主確立こそ平和の道です。根本はチュチェ思想にあり、自主性を最大限尊重し、自主を基本にした関係をきずき、平和の道をさがしだすことが、全国家、全人民の一致した思想になっています。われわれは、朝鮮、チュチェ思想に学ばなければいけません。
最後の講演は、チュチェ思想研究所理事であり朝鮮大学校学長である韓東成氏が「チュチェ思想にもとづいた社会科学研究の指針」と題しておこない、次のように述べました。
韓学長は、金正恩総書記の2012年12月1日の書簡「われわれの社会科学は全社会の金日成・金正日主義化偉業遂行に積極的に貢献しなければならない」を解説しながら、チュチェ思想研究活動の方向性について言及しました。
チュチェ思想研究は、チュチェ思想の創始者、継承者の思想と業績に学び、それぞれの実践が提起する問題に解答を与える主体的社会科学研究であると言えるため、この著作は、世界のチュチェ思想研究者にとってもみずからの研究活動の指針になりえます。
本著作の主体的方法論の適用、理論と実践の結合、歴史主義原則の堅持について解説しましたが、その根底には社会科学に対するチュチェ思想の理解があります。すなわち、社会科学は本質において、人間の運命開拓のための社会とその運動に対する体系的な認識活動であり、その主体は人間、人民大衆であるということです。
整理するならば、主体的方法論の適用は、社会科学の主人にたいする理解、理論と実践の結合は社会科学の目的と使命にたいする理解、歴史主義原則の堅持は社会科学の対象的特性に関する理解にもとづいたものであると位置づけることができ、世界のチュチェ思想研究者にとっても研究活動の方向性を示しその成果を保証する指針であると言えます。金正恩総書記の著作を指針としてチュチェ思想研究をさらに深め、わたしたちの実践が提起する問題に解答を与えるとともに、世界のチュチェ思想研究者との交流を積極的におしすすめ世界の自主化に貢献する決意を新たにしながら、講演を終えます。
最後に、金正恩総書記へ送る手紙が、満場一致の拍手で採択され、セミナーは成功裏に閉会しました。
* * *
セミナー終了後、祝賀宴がおこなわれました。
祝賀宴では、デメベルソンドイ氏、ナランボロル氏、ブゥリマー氏の3名によるモンゴルの音楽、金日成・金正日主義研究東海連絡会世話人で日朝音楽芸術交流会副会長である遠山洋子氏、東京朝鮮歌舞団が歌を披露しました。
デメベルソンドイ氏、ナランボロル氏、ブゥリマー氏は、民族衣装に身を包み、馬頭琴の演奏やホーミー等、モンゴルの音楽を披露し、会場からは拍手がわきおこりました。
遠山洋子氏は、「石割桜」等の歌を披露し、軽快なトークで会場をわかせていました。
最後に、朝鮮歌舞団(東京)団長の李允彰氏が、「我が民族が1番」等の歌を披露しました。朝鮮の民謡や名曲メドレーが披露されるなか、前に出て一緒に踊る参加者も現れ、終始和やかな雰囲気のなかで祝賀宴がおこなわれました。
* * *
イタリア、メキシコ、モンゴルからチュチェ思想研究者を迎えて開催されたチュチェ思想研究セミナーは、金日成主席が創始したチュチェ思想についての理解をさらに深め、今後も互いにチュチェの道を力強く歩んでいく思いを共有する場となりました。
世界各国から祝賀メッセージが寄せられる
朝鮮社会科学者協会 | 朝鮮民主主義人民共和国 |
エドモン・ジューブ (ヨーロッパ・チュチェ思想研究学会理事長) (パリ・ルネ・デカルト大学名誉教授) |
フランス |
ハリシュ・グプタ (チュチェ思想国際研究所副理事長) (アジア・チュチェ思想研究所理事長) |
インド |
ユハ・キエクシ (ヨーロッパ・チュチェ思想研究学会副理事長) (フィンランド・チュチェ思想研究会会長) |
フィンランド |
ジャベド・アンサリ (アジア・チュチェ思想研究所理事) (パキスタン自力更生研究協会書記長) |
パキスタン |
ダーモット・ハドソン (英国チュチェ思想研究会会長) |
英国 |
ヤヒーヤ・ザカリア・カールアラ (アフリカ・チュチェ思想研究委員会副理事長) (エジプト・チュチェ思想研究委員会委員長) |
エジプト |
ロヘケレ・カロンダ・アンドレ (アフリカ・チュチェ思想研究委員会書記長) (民主コンゴ・チュチェ思想研究全国協会会長) |
民主コンゴ |
ニガツ・ダニャチェウ (アフリカ・チュチェ思想研究委員会理事) (エチオピア金日成・金正日主義研究全国委員会委員長) |
エチオピア |
アブドラエ・ディアロ (ギニア金日成・金正日主義研究全国委員会書記長) |
ギニア |
スレイマン・バー (セネガル・ダカール・ウエカム地区チュチェ思想研究会会長) |
セネガル |
アンブローズ・ムニシ (南アフリカ金日成・金正日主義研究全国委員会委員長) |
南アフリカ |
モハメッド・トーレ (ギニア民主党内チュチェ思想研究会会長) |
ギニア |
ガブリエル・マルチネス (ラテンアメリカ・チュチェ思想研究所理事) (ブラジル・チュチェ思想研究所所長) |
ブラジル |
リスティヤント (インドネシア、ジャカルタ・チュチェ思想研究会会長) |
インドネシア |
ファニンドラ・ラージ・パント (ネパール・朝鮮友好協会書記長) |
ネパール |
ミケル・ヴィヴァンコ (スペイン、マドリード・チュチェ思想研究会会長) |
スペイン |
マルティン・レッチャー (スイス・チュチェ思想研究会会長) |
スイス |
ルードミル・コスタディノフ (ヨーロッパ・チュチェ思想研究学会理事) (ブルガリア金日成・金正日主義研究会会長) |
ブルガリア |
アレクサンダー・ヴェリッツ (白頭山チェコ朝鮮友好協会副会長) |
チェコ |
ビクトル・ジャコビィッチ (セルビア・チュチェ思想研究全国委員会委員長) |
セルビア |
マルクス・ボーメル (ドイツ、ドレスデン・チュチェ思想研究会会長) |
ドイツ |
サミール・ディアブ (レバノン・チュチェ思想研究会会長) |
レバノン |
サベル・バルラル (ダマスカス大学政治学部教授) |
シリア |