チュチェ思想研究

チュチェ思想国際研究所

世界の自主と平和のために思いを共有
―金正日総書記生誕記念、大阪におけるチュチェ思想全国セミナー ―

金正日総書記生誕81周年を記念し、「金正日総書記生誕記念チュチェ思想全国セミナー」が、2023年2月12日大阪で開催されました。セミナーには、ロシア科学アカデミー東洋学研究所部長のアレクサンドル・ヴォロンツォフ博士がモスクワよりオンラインで参加しました。

世界の自主と平和の実現に向けた思いがひとつに

チュチェ思想国際研究所が後援し、金日成金正日主義研究全国連絡会の主催で開催されたセミナーには、チュチェ思想国際研究所の尾上健一事務局長、アジア・チュチェ思想研究所理事の家正治神戸市外国語大学名誉教授をはじめ、北海道から沖縄まで、学者、勤労者、在日外国人など広範な人々110名が参加しました。

また、アレクサンドル・ヴォロンツォフ博士がモスクワよりオンラインで参加しました。

セミナーでは、朝鮮社会科学者協会や日本のチュチェ思想研究者、日朝友好人士からの祝賀メッセージが紹介されました。

最初に家教授が主催者挨拶をおこないました。

家教授は、全国各地からの参加者に謝意を表しながら、次のように述べました。

いま、武力の行使がおこなわれ、ウクライナの大統領は、NATOに武器や戦闘機を送れと言っています。日本の状況は厳しく、国際社会と同じく混沌としています。このような状況だからこそ、世界の自主化、国際社会の民主化を実現していくことが重要です。そのためにも、わたしたち自身が各々の地域で連動する活動をおこなっていくことが大切です。

アレクサンドル・ヴォロンツォフ博士が最初に講演し、今ロシアにおいて、チュチェ思想と朝鮮にたいする正しい理解をもちたいとする人々が増えていることを紹介しながら、つぎのようにつづけました。

チュチェ思想の真髄は自主と自主権であり、こんにち、国家と人民の自主性のための闘争は、極度に先鋭化し、ロシアはいま、自主性、自主権のために軍事的な方法で戦わざるを得ない状況があります。ウクライナ紛争は、米欧により、「ロシアによるいわれなき侵略」とみせかけられていますが、実際には、NATOの止めどない拡張がもたらした結果です。NATOは昨日、ロシアを包囲したとすれば、今日は、すでに東アジアに拠点を移しているのです。

ヴォロンツォフ博士は、米国の世界戦略の内容について述べながら、ロシアがいまも以前にもまして、自主、自主権を一貫してかかげている思想的背景について明確に述べました。そして、つぎの言葉で講演をしめくくりました。

ロシアは、未来の世界のために、いまたたかっています。この未来の世界は、一人ひとりの声に耳を傾け、一人ひとりの意見を尊重する世界であり、それぞれの国や社会、文化や制度、主義や信条を尊重する世界です。このような土台のうえに、わたしたち自身の責任性によって、人類文明が調和をなす、未来の世界を実現していくことができるでしょう。

つづいて、島根県立大学大学院の福原裕二教授が、「朝鮮に対する『理解』と日本の平和」と題して講演しました。

福原教授は、朝鮮の人々が言う反日は、日本帝国主義への反感であり、日本や日本の人々にたいする反感ではない、日本帝国主義は、国を奪い、経済的収奪をおこない、文化を抹消し、自尊心を毀損した歴史的な存在である、朝鮮の人々の立場に立たないと、反日という言葉すら理解できないと述べました。

そして、多くの日本人の「朝鮮への関心」は、表層的な事態・政治状況に引きずられているが、朝鮮半島情勢について正しく理解したいと強く思っている人や、現在はまだ正しい認識はもてないまでも、理解しようと努力したいと思っている人たちがいることは、各種の統計上も明らかであり、そのような人たちとの連携や交流をもつことの重要性について強調しました。

続いて、朝鮮大学校政治経済学部准教授の徐順愛氏が「金正日総書記の業績と現代朝鮮」と題して講演しました。

徐順愛氏は、冒頭、関東での降雪の話しをしながら、雪を見ると金正日総書記の姿が浮かんでくる、金正日総書記は雪が降り積もる白頭山で生まれ、永訣式でも雪がたくさん降っていた、金正日総書記の歌には雪という言葉が多くあるが、それは総書記が困難な道を歩んだことを表している、社会主義を守るために歩んだ道程は厳しいものがあったと思うと感慨深く語りました。

そして、2022年12月26日から31日の期間に開催された朝鮮労働党第8期第6回総会拡大会議の内容を詳しく紹介しながら、いま朝鮮人民は、金正恩総書記のまわりにかたく団結して、非常に困難な状況があるなかでも力強く前進していると述べました。

そして、金正日総書記は、「苦難の行軍」をしながら未来を見据え、社会主義強盛大国を建設しようと科学技術の発展に心血を注ぎ、経済や国防において徹底的に自主を貫いたからこそ、今の強国朝鮮がある、「明日のためにいまに生きよう」というスローガンに学んでいると述べ、講演を締めくくりました。

日本、モンゴル、朝鮮の音楽、歌と踊りで

セミナー終了後、芸術公演がおこなわれ、日朝音楽芸術交流会会長の池辺幸惠氏、モンゴルのデメベル・ソンドイ氏、バルダンツェレン・ナランボロル氏、在日本朝鮮文学芸術家同盟京都支部の朴貞任氏、李崇華氏、全恵淑氏が出演しました。

池辺幸惠氏は、ピアノと歌を披露し、ピアノ弾き語りによる「2月の春です」を披露しました。

デメベル・ソンドイ氏、バルダンツェレン・ナランボロル氏は、モンゴルの音楽を披露し、民族楽器「馬頭琴」による「モリントゥブルグーン」(馬の走り)等を演奏し、馬のいななきを馬頭琴で再現すると、会場から驚きの声があがりました。

最後に、朝鮮の歌と踊りが披露されました。

朴貞任氏は、「カゴパ」(馳せる想い)等を歌いました。朴貞任氏は、2002年に金正日総書記誕生60周年の記念公演での思い出を語りながら、当時金正日総書記が“在日の芸術家たちは、朝鮮の芸術家たちにないものをもっている、それはなにか、本当に切実なる思い、朝鮮を思う気持ち、朝鮮をきちんと知ってほしいという思い、そしてそこに馳せるたくさんの人たちの思いを背負っている、それが在日の芸術家たちの歌や踊りに刻まれている”と言われ、評価してもらった、金正日総書記は、わたしたちにとって父のような、師匠のような存在ですと話しました。

参加者は、新たな時代を迎え、決意も新たにしながら、セミナーと芸術公演は、万雷の拍手のなかで終わりました。