チュチェ思想研究

チュチェ思想国際研究所

金正日総書記逝去10周年に際して
インドとイタリアをホスト国としてセミナーが開催される

2021年12月17日、金正日総書記が逝去されて10周年を迎えました。

金正日総書記が残した思想理論的業績は、自主をめざす世界人民の闘争に多大な影響を与え、社会主義・共産主義社会を建設するうえで道しるべになっています。

各地で開催された、金正日総書記の業績に学ぶセミナーを紹介します。

アジア地域オンラインセミナー

社会主義勝利の展望を明らかにし、世界の人々に希望を与えた金正日総書記

2021年12月15日、インドのデリーにおいて、金正日総書記逝去10周年に際して、「偉大な指導者金正日総書記の永遠の業績」をテーマにアジア地域オンラインセミナーが開催されました。

セミナーには、アジア・チュチェ思想研究所理事長のハリシュ・グプタ教授、同研究所副理事長のW. A. ドゥミンドゥワルダネ氏、同研究所書記長のムケシュ・シャルマ氏、同研究所理事のムハンマド・カムルル・フダ氏、ジャベド・アンサリ氏をはじめ、アジア各国からチュチェ思想研究者が参加しました。

セミナーでは、ムケシュ・シャルマ氏が進行役を務めました。

最初に、チュチェ思想国際研究所事務局長の尾上健一氏が挨拶し、そのなかで、いま世界とアジア諸国に求められていることは現時代の指導思想、金日成金正日主義を深く研究し、アジアの新しい進路を明らかにすることですと述べました。

続いて、ハリシュ・グプタ氏が次のようにスピーチしました。

金正日総書記は、自力更生の精神にもとづき、自国にある資源を最大限利用して、自主、自立、自衛の国として築きました。

金正日総書記の多くの業績のなかで重要なものとして、社会主義を志向する世界の人々に希望を与えたことがあります。20世紀末、世界の社会主義運動が試練と困難に見舞われたなか、金正日総書記は歴史的な著作「社会主義は科学である」などを発表し、社会主義勝利の展望を示しました。思想活動を優先させ、朝鮮を強力なチュチェの社会主義国にした業績は、金正日総書記にあります。

W. A. ドゥミンドゥワルダネ氏は、次のようにスピーチしました。

金正日総書記は、党中央委員会で活動を始めた当初から革命と建設における卓越した功績と業績により、指導者として人民から高い尊敬を受けていました。

金正日総書記は金日成主席の革命思想を思想、理論、方法の全一的体系として定式化しました。

また、党の役割を強化し母なる党へと発展させ、仁徳政治を実施しました。

金正日総書記は、金日成主席が提唱した思想と政策にもとづいて祖国の統一のための闘争に大きな努力を払ってきました。

金正日総書記の卓越した思想と精力的な活動は、現代の政治的流れを自主に導く原動力となりました。

自主独立国家の尊厳が輝く新しい世界、人類の美しい未来が必ず建設され、金正日総書記の思想と大義は、発展する人民の自主の大義とともに永遠に輝くでしょう。

モンゴル・チュチェ思想研究センター所長のセルダラン・ダムディン氏は、次のように述べました。

金正日総書記の全生涯は、国の繁栄と人民の幸福のために強行軍を続ける無二の愛国者のもっとも輝かしい人生でした。

金正日総書記は昼夜を問わず、24時間、都市と農村、平野と険しい山地などあらゆる場所を、冬の寒さ、夏の暑さにも負けずに強行軍し、それは献身と労苦の日々でした。

金正日総書記が想像を絶する献身と労苦の強行軍をおこなったのは、生涯にわたって大切にしてきた人生の原則を守り抜いたからであり、自分が一生懸命働けば働くほど国が栄え、人民が幸福になると考えていたからでした。

金正日総書記は、人民の幸福が実現するのを見るたびに疲れが取れると喜びました。

世界には多くの指導者と偉人がいますが、さまざまな苦難に見舞われながらも、燃えるろうそくのように国と人民にすべてを捧げた金正日総書記のような人物は他にいません。

アジア・チュチェ思想研究所の理事であり、神戸市外国語大学名誉教授の家正治氏が以下のようにスピーチしました。

世界では、新型コロナウイルス感染症により、帝国主義、資本主義の矛盾が露呈し、アメリカをはじめ西側諸国が弱体化するなか、チュチェ思想を指針にした朝鮮民主主義人民共和国は、金正恩総書記の指導のもと、第8回党大会以降、精力的に自国の経済活動を発展させています。新型コロナウイルス感染症への対応はもちろん、自衛のための軍事開発も発展的におこなっています。

わたしたちアジアのチュチェ思想研究者は、固く団結し、自国の自主化、アジアの自主化、そして世界の自主化にむけて、チュチェ思想を創造的に適用し、研究普及活動をおこなっていくことが大切だと思います。

アジア・チュチェ思想研究所の理事でありパキスタン自力更生研究協会書記長のジャベド・アンサリ氏が以下のようにスピーチしました。

10年前、国際社会は金正日総書記の突然の逝去の悲報に衝撃を受けましたが、金正日総書記の不滅の業績、高貴な人生、偉大な人としての品格は、朝鮮人民と世界の進歩的人民によって、永遠に記憶されるでしょう。

金正日総書記は、帝国主義、反社会主義の動きをことごとく挫き、朝鮮の地に政治的、思想的強国を建設し、朝鮮労働党と朝鮮人民軍を賢明に導いて社会主義の旗じるしを堅持しました。現在、後継者である金正恩総書記が、素晴らしい情熱をもって朝鮮の革命と建設の崇高な大業をいっそう力強くおし進めています。

まとめの挨拶をアジア・チュチェ思想研究所書記次長のスバシュ・カジ・シュレスタ氏がおこないました。

今日のスピーチは、すべてよく準備されていてとても刺激的でした。アジア・チュチェ思想研究所は、過去41年間チュチェ思想の研究と普及のために先駆的な役割を果たしてきました。

金正日総書記は、先見の明と卓越した政治能力によって軍事と政治の両面を有機的に結合した先軍政治を展開しました。チュチェ思想と先軍政治は金正恩総書記に継承され、現代の朝鮮は見違えるほどに変化しています。

本大会を成功裏に導いてくださったハリシュ・グプタ理事長をはじめ、チュチェ思想国際研究所、アジア・チュチェ思想研究所のみなさまに心から感謝いたします。

ヨーロッパ地域オンラインセミナー

世界人民の心に永遠に刻まれる金正日総書記の業績

2021年12月18日、イタリアのローマにおいて、ヨーロッパ・チュチェ思想研究学会の主催で、「金正日総書記の業績」をテーマにヨーロッパ地域オンラインセミナーが開催されました。

セミナーには、ヨーロッパ・チュチェ思想研究学会理事長のエドモン・ジューブ氏、同学会副理事長のキース・ベネット氏、ユハ・キエクシ氏、同学会書記長のマッテオ・カルボネリ氏をはじめ、ヨーロッパの国々から同学会の理事やチュチェ思想研究者が、日本からチュチェ思想国際研究所事務局長の尾上健一氏が参加しました。

はじめに、マッテオ・カルボネリ書記長が、コロナ禍のなか直接会うことは難しいですが、このような機会を持つことができ非常に嬉しいと挨拶し、基調報告をおこないました。マッテオ・カルボネリ書記長は、金正日総書記の業績について特筆すべき点をあげ、次のように述べました。

金正日総書記が果たした重要な役割は、多くの著作を発表し、社会主義を理論的に展開するうえでの中心問題を考察したことです。金正日総書記は、ソ連・東欧諸国における社会主義崩壊の原因を分析したばかりでなく、社会主義の優越性と必然性を明らかにしました。

また、朝鮮が帝国主義による制裁と封鎖、度重なる飢饉や自然災害によって大きな困難に見舞われた時、金正日総書記は、チュチェの旗のもとに社会主義強盛国家を建設すると闡明し、思想活動の重要性を強調し、人類解放と社会発展を達成するための強力な方途としてのチュチェ思想にもとづいて朝鮮人民を団結させました。

金正日総書記が卓越した指導によりうちだした先見の明のある政策は、後継者である金正恩総書記によって継承され実現されています。

金正日総書記の業績は、朝鮮人民と世界の進歩的人民の心のなかに生き続けていくでしょう。

引き続き、チュチェ思想国際研究所事務局長の尾上健一氏が、セミナーの開催を祝して挨拶を述べ、「金正日総書記が明示した三大革命路線の歴史的意義」と題する原稿を寄せました。

そのなかで尾上健一氏は、次のように述べています。

金正日総書記がチュチェ思想を現時代の普遍的な革命思想として定義されたことは、人類の闘争史上において不滅の意義をもつものです。

時代を発展させ民衆の自主的要求を実現するためには、人民自身が時代を発展させうる正しい思想で意識化され、団結してたたかっていくことが重要です。

資本主義の矛盾が激化するいま、チュチェ思想を指針とする運動が切実に求められています。

朝鮮革命が勝利し、その後も社会主義建設が着実に進められている要因は、何よりも人間を中心とした指導思想の正しさにあります。

社会主義制度を樹立した後、社会主義建設を順調に進めるための理論が不可欠です。社会主義を強化し発展させるための理論的実践的課題は全的に金日成主席と金正日総書記によって解明されました。

金日成主席は人民政権を強化し、その機能と役割をたえず高め、思想、技術、文化の三大革命を徹底的に遂行するという社会主義共産主義建設の総路線を提示しました。

いま朝鮮では、社会主義の完全勝利を視野にいれ、人類の世紀的念願である共産主義社会を明確に展望しながら、人民が金正恩総書記のまわりに一心団結してたたかっています。現在、世界で唯一、社会主義共産主義建設を正しく領導している金正恩総書記の思想理論に深く学ぶことは極めて重要な意義があります。

ヨーロッパをはじめ、各地域、各国のチュチェ思想研究者は誇りある責務と役割を自覚しながらチュチェ思想研究普及活動をいっそう力強くおし進めていきましょう。

ユハ・キエクシ氏が以下のようにスピーチしました。

金正日総書記は、20世紀から21世紀初頭の世界を導いたもっとも重要な政治家でした。金正日総書記の生涯がどれほど重要であったかについては、いくら強調してもしすぎるということはありません。

朝鮮社会主義の威力について、わたしは、三点から分析してみたいと思います。

第一に、チュチェ思想の根本は民衆の利益にたいする関心にあるということです。朝鮮社会主義は、朝鮮人民の要求と志向を完全に反映しています。

第二に、朝鮮革命は思想活動を重視しています。ソ連・東欧諸国の社会主義崩壊の主要な原因の一つは、ソ連では民衆にたいする思想活動に重きをおかなかったことがあります。

第三に、革命理論は、世界の労働者階級の変化を重視して、つねに発展させられていくということです。

新自由主義は、すべての資本主義国において、所得格差、貧困問題をひきおこしています。このような状況を分析し認識するためには、共通の発展した思想を人々が手にしなければなりません。

帝国主義者の圧力があるなかでも、朝鮮革命は成功をおさめました。朝鮮人民の一心団結は、世界でも類を見ないものです。

資本主義は、権力の座を維持し、資本家の特権を保護することで成功をおさめました。しかし、状況は変化しつつあります。気候変動が続き、コロナ禍は収束のめどが立っていません。これらのことは、資本主義制度のもとでは解決することができません。わたしたちは、朝鮮でおさめられた経験から深く学ばなければなりません。

わたしたちはまた、ヨーロッパにおいてもチュチェ思想を積極的に研究普及していかなければなりません。金正日総書記は、いまなお、わたしたちとともに生き続けています。世界にたいする科学的見解にもとづいて、わたしたちは、広範な大衆を資本主義から社会主義に導いていくことができます。

キース・ベネット氏が以下のようにスピーチしました。

金正日総書記は、朝鮮人民の偉大な指導者であると同時に、国際共産主義運動や国際労働運動、民族解放運動の導き手であり、抑圧されたすべての国家と人民や、新社会建設にたずさわっているすべての人々、そして、世界の反帝自主の進歩的勢力に深く敬愛されている傑出した指導者でした。

金正日総書記は、もっとも厳しい朝鮮人民の苦難の行軍を導きながら、時代の要求に即して、独創的な先軍政治方式をうちだしました。

社会主義偉業が修正主義者らによって、深刻な試練と後退をよぎなくされていたときに、帝国主義が社会主義の終焉、共産主義史の終わりと叫び横暴のかぎりをつくしていたときに、金正日総書記は、社会主義の勝利にたいする確信を示すために、前例のないやり方で世界の革命勢力を結集し、導きました。

「社会主義は科学である」「社会主義にたいする誹謗は許されない」「革命の先輩を敬うのは革命家の気高い道徳的信義である」「革命的党建設の根本問題について」など、金正日総書記の古典的労作は、社会主義の必要性、必然性について明記したばかりでなく、創造的、独創的な方法で社会主義思想を深化発展させたものでした。

それゆえ、金正日総書記の早すぎる死は、朝鮮人民にとってだけでなく、世界の革命的進歩的人民にとって大きな痛手となりました。

今日、世界的な規模での新型コロナウイルスの流行や米国による経済的軍事的な脅威など、きわめて困難な状況下においても、金正恩総書記が強力かつ賢明な指導力を発揮しています。さまざまなことがあるなかでも、朝鮮は、自力更生にもとづく民衆中心の現時代の社会主義国として、力強く前進しつづけています。

世界の各地でチュチェ思想を学ぶ人たちが増え、自国の実情に適用しながら、チュチェ思想を研究普及する流れが広がっています。

日本金正恩総書記の誕生を祝賀し

チュチェ思想新春セミナーが沖縄で開催される

2022年1月9日、金正恩総書記の誕生を祝賀し、沖縄においてチュチェ思想新春セミナーが開催されました。

金日成金正日主義研究全国連絡会と沖縄チュチェ思想研究連絡会の共催でおこなわれたセミナーにはチュチェ思想国際研究所事務局長の尾上健一氏、沖縄大学名誉教授の平良研一氏をはじめとして全国各地からチュチェ思想研究者100余名が参加しました。

今年のセミナーは金正恩総書記の最高指導者就任10周年の節目に開催されたことに特徴がありました。

司会を元糸満市議会議員の玉城和信氏と金日成金正日主義研究関西連絡会事務局長の三上太一氏がおこないました。

金日成金正日主義研究東海連絡会代表世話人の鈴木敏和氏がつぎのように開会挨拶をしました。

いま在日米軍基地がある沖縄、広島、山口などで新型コロナウイルスの新規感染者が過去最多になり、蔓延防止等重点措置が発令されています。日本政府は米国に従属し自主独立を放棄しており、とりわけ沖縄の人々がその犠牲になっています。このような認識をともにする人たちは日本の社会発展のためにともに活動していきましょう。

続いて朝鮮社会科学者協会事務局から送られた祝賀メッセージが披露されました。

つぎに平良研一氏が「共産主義の展望を示す朝鮮式社会主義」と題して講演をおこないました。

資本主義社会においては、貧富の格差拡大、若年層の失業、高齢者の生活苦、ホームレス、孤独死の問題など多くの問題が山積しています。日本政府が唱えている「新しい資本主義」は新たな新自由主義的な政策を展開しながら資本主義をさらに進めていくことでしかありません。

これまで多くの国でマルクス主義の原則を正しく継承し発展させることができませんでした。朝鮮は集団主義にもとづいて社会主義社会を発展させ、困難ななかで、愛と信頼にもとづく社会主義を建設しているといえます。集団主義の優越した姿を示す朝鮮は社会主義のもっとも高い段階を示しています。

在日本朝鮮社会科学者協会会長の李英洙氏が「金正恩時代10年の特徴と業績」と題してつぎのように講演しました。

金正恩時代の重要な特徴の一つは、わが国家第一主義時代をきり拓いたことです。朝鮮はこれまで米国にたいして自己を保存する役割は果たしてきましたが、それは終わり、いまや朝鮮は自存と繁栄の時代を迎えています。

朝鮮は社会主義の全面的発展期を迎えています。社会主義の全面的発展期の内容には都市と農村の差をなくし、工業労働と農業労働の差をなくすことなどが含まれます。

朝鮮はまた極超音速ロケットを開発するなど、朝米対決においても勝利する段階にまできています。こんにち提起されるあらゆる問題を解決する鍵は金日成金正日主義にあります。自主的で平和な新しい世界を創造していくために金日成金正日主義を研究し普及する栄えある活動をともにおしすすめていきましょう。

最後に金正恩総書記に送る手紙が提案され、満場の拍手で採択されました。

コラボで盛り上がった新春芸術公演

セミナー終了後、新春祝賀芸術公演がおこなわれました。

はじめに沖縄で活躍する若手歌謡グループ「ティーダ」が沖縄の島々の美しい景色や人々の想いをうたった民謡を披露しました。

つぎに日朝音楽芸術交流会副会長で歌手の遠山洋子氏が朝鮮において人民がもっとも大切にされていることをうたった朝鮮の歌をメドレーで披露しました。

アーティストの喜納昌吉氏が登場し、遠山洋子氏とともに朝鮮統一を願ってアリランを合唱したときに会場はクライマックスに達しました。

喜納昌吉氏は、沖縄になぜ戦争のための基地があるのか、みんなが願っている平和を実現しなくてはならないと語り、沖縄民謡と「花」を熱唱しました。

喜納昌吉氏の平和へのあつい思いのこもった歌は、参加者に大きな感動を与えました。

チュチェ思想新春セミナーと芸術公演は、金日成主席の生誕110周年、金正日総書記生誕80周年、そして金正恩総書記が国家と革命の最高指導者となって10年の節目となる歴史的な2022年を、日本全国のチュチェ思想研究者が金日成金正日主義の旗をいっそう掲げて日本と世界の自主、平和のための活動をおしすすめていく重要な契機になりました。